10月24日(火)から25日(水)にかけて降った雨は、山の上では雪になり、これが八ヶ岳の2017年の初冠雪となりました。
「初冠雪(はつかんせつ)」とは、夏が終わった後、山麓の気象官署から見て山頂付近が初めて積雪などで白く見えることとしており、山梨県ではこれを「甲府地方気象台」が担当し、富士山・甲斐駒ヶ岳について観測をおこなっています。
「気象台(きしょうだい)」は気象庁の地方支分部局ひとつで、気象の観測・天気予報・気象警報の作成と発表などを業務とする施設・機関です。
「地方気象台」は北海道に6ヵ所、沖縄県に3ヵ所、そのほか「管区気象台(札幌・仙台・東京・大阪・福岡)」が無い府県にそれぞれ1ヵ所ずつ置かれています。
甲府気象台の発表によると「2017年の初冠雪」は以下のようになりました。
富士山 : 10月23日
甲斐駒ヶ岳 : 10月25日
ちなみに山梨における観測史上「最も早い初冠雪」は、
富士山 : 8月 9日(2008年)
甲斐駒ヶ岳 : 9月26日(1952年)
そして「最も遅い初冠雪」は以下のように記録されています。
富士山 : 10月26日(2016年)
甲斐駒ヶ岳 : 11月24日(1993年)
甲府気象台が発表している「30年分の平均値」が、
富士山 : 9月30日
甲斐駒ヶ岳 : 10月27日
なので、今年2017年が平均と比べてどのくらい早いか・遅いかがお分かりいただけるかと思います。
ここ八ヶ岳連峰の赤岳と、その南西方面にある甲斐駒ヶ岳は直線距離で約26.6kmほどの、同じ山梨県北杜市(ともに長野県との県境)に位置していますので、八ヶ岳の初冠雪は甲斐駒ヶ岳の初冠雪のデータとほぼ近いところにあると考えて良いと思います。
現に、今年2017年の八ヶ岳の初冠雪は25日に確認でき、甲府地方気象台の甲斐駒ヶ岳の初冠雪とほぼ同時ということになります。
また、赤岳から南東方面、直線距離で約25.5kmほどの場所にある秩父山地の金峰山(きんぷさん・きんぽうさん)も山梨県北杜市(長野県との県境)にあり、25日に八ヶ岳・甲斐駒ヶ岳とともに山頂付近が真っ白になってたのが印象的でした。
しかしその後、少しだけ暖かい日が続き、11月1日時点で雪は見られません。必ずしも「初冠雪=根雪(下積みになって、雪解けまで残る雪)」とはならないのです。
とはいえ、八ヶ岳の冬はもうすぐそこまで来ているのは確かです。実は、山梨県民は2014年に交通や流通が完全にマヒし、山梨県と、山梨県の各地域・集落が陸の孤島と化した「豪雪」がちょっとしたトラウマになっています。
と同時に、自力でどうにもできなかったところを、颯爽と現れ助けていただいた「日本最強と謳われる新潟県の除雪機甲師団(と、その活躍から今でもネット上で伝説化されている部隊)」への感謝も深く、かつて、武田信玄(山梨)が上杉謙信(新潟)に塩を送ってもらった再来だと、今でも笑い草になっています。
冬には冬の楽しみ方があり、心が洗われるかのような美しい白銀の世界も見られたりしますが、「豪雪」だけは勘弁してほしいと、今年も思っている人は少なくないはずです。