過去、私はゴールデンウィークを利用して、「雪の無い山」を目指して南へ出発し、小さな軽自動車で車中泊をしながら、四国・九州を巡る旅をしてきました。当時、奇跡的に西日本はあたたかな好天に恵まれ、各地であたたかい出会いにも恵まれました。
そんな旅を、数回にわたってお届けいたします。
4日目 第二話
前回、4日目第一話からお届けしている大分県「九重連山(くじゅうれんざん)」の旅。
火山帯のほぼ北西に位置する登山口「長者原ビジターセンター」から出発し、円錐型の「三俣山(みまたやま)」を北から東へ、そして世界的にも重要な湿原として認められる「坊ガツル」湿原を抜け、南へと回り込み、無事、三俣山の山頂へと到着したのでした。
ここまで、標準タイムで約4時間30分ほどの旅となります。
広大な九重連山は、坊ガツルを境に東西で「大船山系」「久住山系」と呼ばれる山域に分けられています。今回旅をしている山域は西側に位置する久住山系となり、三俣山下山後の目的地は、山域の名前にもなっている「久住山(くじゅうさん)」を目指します。
下記写真中央に広がる谷は「北千里ヶ浜」と呼ばれる場所で、ここを抜けます。
妄想族な私は、あの谷の奥に、映画「ネバーエンディングストーリー」に登場する、二体の向かい合うスフィンクスがいる「大いなる謎の門」がありそうだと思いました。マニアックな話ですみません(笑)けっこうどうでも良い話なので知らない方はお気になさらず。
北千里ヶ浜を抜け振り返ると、三俣山がこのように見えます。火山帯ということもあり、大自然がつくった大地の造形はとても力強く、目を見張る感動があります。
ここは「久住分かれ」と呼ばれる分岐点の近くです。久住別れは、4方面からの登山道が合わさる場所でもあります。下記は久住山方面を望んでいます。
再び、久住別れ付近から三俣山を望みます。方角でほぼ南から北を望んでいる形になり、三俣山の向こう側(の、やや左)から、向かって右側(東側斜面)を回り込むように進んできたことになります。三俣山山頂からここまで標準タイムで約1時間35分です。
久住別れから約20分。久住山の山頂に到着しました。
久住山は、「大分百山」「九州百名山」などに選定されています。また、深田久弥氏の「日本百名山」にも選定されおり、「九重山」として紹介されています。
当時ここはたくさんの人でにぎわっていて、遮るもののない美しい景色と暖かく優しい陽気の中、それぞれ思い思いの時間を楽しんでいる様子がとても平和でした。
ちなみに、久住山の南側に存在する「赤川登山口」は、久住山へ一番最短で辿り着く登山口として知られ、標準タイム約2時間30分ほどで登頂することができます。
南山麓一帯には、広大な久住高原が広がります。写真では白い靄がかかっていて見えにくくなっていますが、地平線を右側に追っていくと一番右端に薄っすらと、熊本県の名峰「阿蘇山(あそさん)」がそびえているのが分かると思います。
上記写真から右(西)に視点を移していくと、同じ久住山系の標高1698m「扇ヶ鼻(おうぎがはな)」が見えます。ちなみに、今回の旅ではここへは立ち寄りませんでした。
上記写真からさらに右(西)に視点を移していくと、九重連山の旅最後の目的地(ピーク)となる標高1762m「星生山(ほっしょうざん)」が久住山の南斜面の奥(写真中央)に見られます。
久住山のごく周辺には星生山をはじめ多くのピーク(山頂)が連続し、また個人的に大好きな火山湖も存在していて、変化に富んだ地形と風景は後半の醍醐味といえる楽しみでした。次回からはそんな山々をひとつひとつ巡って紹介して参りたいと思います。
4日目第三話へつづく。