2017年9月16日。今日から3連休となりますが、最大瞬間風速45m/s「非常に強い」勢力の台風18号が列島に近づいています。進路は17日に九州に上陸、西日本を縦断し、その後日本海を進み、18日には北日本に進むとみられています。秋雨前線が本州の南岸沿いに延びることから、接近前からも列島各地で大荒れの天気となる恐れがあります。
せっかくの3連休、台風の影響で、各地で開催される予定だったイベントの多くが見送られています。あいにく天気ですが、どうか安全にお過ごしください。
さて、今回の話題は「ちょいワルあしながおじさん」です。
これは、私が勝手につけた愛称で、普通「あしながおじさん」といえば豆に針金の足をつけたような独特の姿をしている「ザトウムシ」という昆虫のことを指しますが、「ちょいワルあしながおじさん」は「アシナガバチ」を指して呼ばせていただいています。
なぜ「極悪」とか「凶悪」ではなくて、「ちょいワル」なのかも分かっていただけるかと思いますので、どうぞ最後までお楽しみください。
ある日、窓の外側にアシナガバチがとまっていました。
普段は近づいて写真を撮れる機会はないので、アップで撮ってみました。
「アシナガバチ(脚長蜂)」は、スズメバチ属アシナガバチ亜科のハチの総称です。スズメバチ属ということもあり、私を含めあまり詳しくない人が見れば、黒と黄色の模様の容姿は一概に「スズメバチ(雀蜂)」と思いがちです。
しかしこのアシナガバチ、スズメバチとの最大の違いはその性格にあるともいわれています。非常に攻撃的な性格のスズメバチに対し、かなりおとなしく巣を強く刺激したりハチを素手で触ったりしない限りはまず刺してくる事はほぼありません。
スズメバチとの見た目の違いは、目と目の間、もしくは触角の下、人間で言うと鼻のあたりにある五角形のかたちをした「頭楯(とうじゅん)」と呼ばれている部分が、スズメバチは六角形になっています。また、スズメバチよりも細身であることも特徴です。
実はこのアシナガバチ、蛾や蝶の幼虫である毛虫や青虫といった動きの鈍い昆虫を捕食対象としているため、それらを駆除してくれる「益虫(えきちゅう。何らかの形で人間の生活に役に立つ昆虫。)」として、とくに農家の間では重宝されていたりします。そのため、市町村でアシナガバチの駆除はおこなっていないケースは増えています。
スズメバチ属らしい悪そうな顔をしていながら、性格がおとなしく、益虫として扱われるアシナガバチ。そんな雰囲気と脚長という名前から「ちょいワルあしながおじさん」は、我ながらけっこうぴったりな愛称のように思っています。
毒はスズメバチに比べれば弱く、毒そのものによる死亡は稀といわれますが、アナフィラキシーショックにより死亡することもあるので注意は必要です。またお子様がむやみに巣を刺激して襲われたり、外に干した洗濯物に着いたアシナガバチに気付かず取り込んだ際に触って刺されるケースもありますので、その点十分にお気を付けください。