高原のポニー号 ~C56149~

八ヶ岳南麓にあるJR小海線「清里駅」には、「C56149」という機関車があり、清里を見守るようにたたずんでいます。

C56149号蒸気機関車は戦前・戦後を通じ、輸送の主力として八ヶ岳山麓を力強く走り続け地域の発展に大きく貢献しました。また、高原の「ポニー号」と称され多くの方々から親しまれてきました。

まだ充分活動できる能力はありましたが、時代の進歩の激しさには勝てず退役となりました。引退までの34年5ヶ月、実に31年間も小海線で走り続け優美な清里高原を全国に伝える原動力になりました。

清里駅を発車して小諸方面に向かうC56149号蒸気機関車

退役後、永年親しまれ活動してきたC56の学術的・歴史的功績をたたえると共に、郷土を語る貴重な資源として、また、未来を担う子供たちの豊かな心を育てる教育的・社会的教材として後世に伝えるべく、「たかね荘(※1)」の敷地内で静態保存されていたものを清里駅周辺地区の整備の一環として地域からの要望に基づき観光振興に役立てばとの思いから、清里駅前に設置されたのでした。

※1)「たかね荘(=八ヶ岳美し森ロッジ)」は、山梨県北杜市営のキャンプ場・テントサイトなどを備えた宿泊施設で、八ヶ岳南麓のふもと標高約1500mに広がる「美し森(うつくしもり)」にあります。

また、この場所にある「森の図書館」は日本一高い場所にある図書館としてテレビなどでも紹介されました。

登山者用に砂利の無料駐車場(約30台)を解放しており、ここから八ヶ岳連峰の「赤岳(あかだけ)」へと続く登山道「真教寺尾根(しんきょうじおね)」に入ることができる登山口としても知られています。

C56149のはたらき

■製造年月日

昭和13年6月28日 三菱重工業神戸造船所

■使用開始

昭和13年7月6日~昭和14年12月19日

新潟鉄道局米沢機関区所属

この間(米板線)の走行キロ数:61728.8km

■転属

昭和14年12月20日~昭和16年12月8日

仙台釜石機関区所属

この間(釜石線)の走行キロ数:106769.6km

■転属

昭和16年12月9日~昭和47年12月5日

長野県鉄道管理局中込機関区所属

この間(小海線)の走行キロ数:1478507.7km

■走行キロ数合計

1647006.1km

■走行年数

通算 34年5ヶ月

■使用休止年月

昭和47年10月31日

八ヶ岳南麓にあるJR小海線「清里駅」には、「C56149」という機関車があります。

かつて、八ヶ岳南麓を力強く駆け抜け、高原の「ポニー号」と親しまれ、今の清里の礎を築いた先人達のひとりである存在は、今なお、清里を見守るようにたたずんでいます。

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