冬枯れの季節に尚美しく

季節が移り変わり冬になると、一年草をはじめとするほとんどの草花は枯れ種子を次の世代へと繋ぎ、多年生の草花や樹木も芽吹きの季節までしばしの休眠に入ります。しかし、そんな中にあって尚、鮮やかに美しく目を楽しませる植物も存在します。

そのひとつが、今回ご紹介する「ピラカンサ(属)」。和名で「トキワサンザシ(属)」というバラ科の常緑低木です。(属)をつけているのは、この名前が数種類あるものの総称として呼ばれているものだからです。

今回紹介しているピラカンサの写真は、ここ八ヶ岳南麓の高根町清里と同じ町内にある高根町長沢で、過去の12月24日に撮影したものです。

写真から雪などはみられませんが、標高1000m付近の12月末なのでそれなりの寒さは当然あり、耐寒性はかなり強いです。また、耐暑性も強く、土壌を選ばず、良く育つので、生垣や鉢植えとして広く普及しています。

また、刈り込みにも良く耐えるのでトピアリーとしても利用されます。トピアリーとは、常緑樹や低木を刈り込んで作成される西洋庭園における造形物です。鳥や動物をかたどったり、立体的な幾何学模様を造り、楽しませます。

花期は一般に5月~6月頃で、観賞価値の高い白色の花を咲かせます。そして11月の秋頃から、場合によっては1月~2月頃まで鮮やかで美しい果実を多数つけます。葉は濃緑色で、光沢もあり美しいので、一年を通して観賞することができる植物です。

“ 花の咲かない寒い日は

 下へ下へと根を伸ばせ

  やがて大きな花が咲く ”

私が一番好きな言葉です。

でも、(「花」ではありませんが)そんな言葉を裏切るかのように、寒い中にあって尚鮮やかに美しく輝くピラカンサ。笑

当ブログで何度か紹介させていただいている、この地域で寒く澄んだ冬の日に見られる「八ヶ岳ブルー」と呼ばれる美しい青い空と、とてもよく合っていました。

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