【賢者の森】八ヶ岳公園サイクリングロード

＜　歩くも走るも自転車も。大自然の森の中を舗装路で進める贅沢。　＞

清里駅を出て右手に進み、その後の分かれ道を美し森方面（右手）へ。JR小海線の線路を渡り約１００ｍほど進むと左側に「八ヶ岳公園サイクリングロード」の入り口が現れます。

そこはまさに八ヶ岳南麓の自然の世界へのいざないの扉。

自然の中を歩くには、ほとんどの場合、未舗装のトレイルや登山道を歩くことになるのですが、ここはその名の通り、自転車が走れるように作られた道のため、舗装されています。そのため、未舗装特有の躓き（つまづき）や挫き（くじき）の危うさや、登山道のような強烈なアップダウンや、張り出す草のなかを藪漕ぎするようなことが無く、八ヶ岳の自然美を楽しめる「贅沢な道路」だと、個人的には思っております。

またこのサイクリングロードの売りは、暑く日差しの強い日も緑のトンネルがほどよく遮ってくれて本当に涼しいです。その時のキラキラした木漏れ日もまた本当に心地良いです。

ただ、幼いころ父親に連れられて来たときは、一見同じようなつづら折れの道中が延々と続くようなループ感が子供にはものすごく長く感じ、また、夕暮れは森の中がなおさら暗くて、妄想豊かな子供心には、童話に出てくるような「魔女が住んでいる森」に迷い込んだかのようで、途中から徐々に気が滅入ってきたのを思い出します。

今では、一見同じような道中でも、出口に向けて標高を上げていくと徐々に植物の雰囲気が変わってくるのも面白いですし、最近は、変化していく地形や、木々の肌がそれぞれ特徴があってアートのようで面白かったりと、自然の面白さを堪能しております。また、木々の葉が風でさらさら鳴る音や、森で良く響く野鳥のさえずり、小川の涼しげなせせらぎなど、自然が奏でる音の優しさには本当に癒されます。

冬は雪が積もれば、お手軽にスノーシュー歩きも楽しめます。そこには、冬にしか味わえない特有の静けさや、一面真っ白な美しい世界があり、厳しくもその幻想的な雰囲気は一度は味わっていただきたい八ヶ岳の一面でもあります。また、かなりの確率で鹿に遭遇できるのもこの季節ならではの特典です。

八ヶ岳公園サイクリングロードは、約１/３ほど進んだ先には未舗装の遊歩道が交差しており、（清里駅方面から見て）右に進むと「清里の森」へ、左に進むと「清泉寮・キープファームショップ」へと抜けます。また、全長約４ｋｍほどを踏破した先には、清里の名所のひとつ「美し森」と言う小高い丘が待っており、ここまで来たらぜひ登っていただきたい場所です。