あの日の大将?

山や森を歩いていると、さまざまな動植物と出会います。山に限ったことではありませんが、ヘビもそのひとつで、比較的よく、お見かけする生き物だったりします。

個人的経験から、ヘビを見かけたら極力近づかないようにしている私でも、ヘビの方から近づいてきたことや襲われたことは一度もありません。大抵ヘビの方が驚いて逃げてしまう事の方が多く、たまに、ダルそうにそこでじっとしてたりします。

しかし、ヘビは毒を持っている種もいるうえに、毒をもっていない種でも咬まれると、痛いだけでなく細菌の感染を引き起こす危険もあります。また、ヘビは個体差が大きいものも多く、判別が難しい場合があるので、よほどヘビを熟知した方でない限りは野生のヘビに安易に近づくのは全くおすすめできません。

調べたところ、日本の本州には8種の在来種がいるようで、ヘビの画像はほとんど所持していないため画像なしで誠に申し訳ありませんが、簡単にまとめさせていただきました。

(五十音順)

アオダイショウ(青大将) ・・・

暗黄褐色からくすんだ緑色。背面に4本の不明瞭な黒褐色の縦縞。北海道・国後島のものは青みが強く人気。人とともに暮らすヘビといわれ、本種の白化型は「神の遣い」とされた。昼行性で基本的にはおとなしい。樹上、地表、地中、岩の隙間と、幅広い範囲で活動。

シマヘビ(縞蛇) ・・・・・・・

淡黄色の体色に4本の黒い縦縞模様。全身漆黒の個体はカラスヘビ(烏蛇)と呼ばれる。木に登ることがほとんどなく、地表を這い回るために交通事故に遭いやすい。昼行性で日光浴が好き。性格はアオダイショウに比べやや神経質といわれている。

ジムグリ(地潜) ・・・・・・・

体色は赤みがかった茶褐色で、黒い斑点が入る。頭部にアルファベットの「V」字の模様。林床を好み、よく地中や石の下等に潜ることが和名の由来。朝方、夕方の気温の低い時間帯によく活動し、高温や蒸れにかなり弱く、季節拒食をすることもある。

シロマダラ(白斑) ・・・・・・

体色は淡褐色で、黒褐色の横縞が入る。頭部の体色は黒褐色。外敵に襲われると毒蛇に擬態して威嚇するか、擬死行動を行う。個体数が少ないといわれ、また夜行性であることから遭遇することが少ないため「幻のヘビ」とも呼ばれている。性格が荒くよく咬む。

タカチホヘビ(高千穂蛇) ・・・

体色は褐色で、正中線上に黒い縦縞が入る。鱗には虹色の光沢。1888年に高千穂宣麿男爵が発見するまでは日本人研究者に認識されていなかったため、和名には彼の名が付けられている。夜行性で、昼間は落ち葉や倒木の下等に潜り休むため人目につかない。

ニホンマムシ(日本蝮) ・・・・【毒】

毒蛇にて注意。全長に比して胴が太く、体形は太短い。中央に黒い斑点のある俗に銭型模様と呼ばれる楕円形の斑紋が入る。日本の各地に分布しながら、水辺や草むら、土手、山地、森林などあらゆる場所に生息。毒は主に出血毒で、ハブ毒より毒性が強い。

ヒバカリ(日計、日量) ・・・・

背面の色彩は淡褐色や褐色。平地から低山地にある森林に生息し、水辺を好む。泳ぐのが上手。性質は温和だが、追いつめられると激しい威嚇行為を行うので、かつては毒蛇とされ、和名は「噛まれたら命がその日ばかり(ヒバカリ)」と考えられていたことに由来する。

ヤマカガシ(山楝蛇) ・・・・・【毒】

毒蛇にて注意。体色は体側面に赤色と黒色の斑紋が交互に入るが、地域差、個体差が大きく全く別人(別蛇?)のように模様が違うヤマカガシも存在する。カガシとは日本の古語で「蛇」を意味し、ヤマカガシは、「山の蛇」となる。しかし実際には平地や、山地でも標高の低い場所に生息し、特に水辺や水田地帯、湿地周辺などに多い。ヤマカガシの毒はハブやマムシと同じ出血毒だが、「半数致死量(物質の急性毒性の指標)」でその毒性はハブの10倍、マムシの3倍の強さといわれ、国内最強。ヤマカガシは毒を持つニホンヒキガエルを捕食するが、その毒を利用することで自身が持つ国内最強の毒としていることが近年の研究で明らかになった。余談だが、ヤマカガシがヒキガエルを食べるときは、なぜかお尻から食べることが多いことで有名。また、危険が迫るとコブラのように頭を持ち上げ威嚇行動をとるが、ヤマカガシはそれを背を向けてやるうえ、それでも相手が怯まない場合、仰向けになり擬死行動(いわゆる死んだふり)を行う。

調べるほどにおもしろいエピソードがたくさん出てきてヤマカガシだけ異様に長い説明になってしまいましたが、ヘビもまた、自然の中にいる隣人で、基本的には臆病なので自然のままそっとしておいてあげたいものです。

それでももし、ヘビに咬まれてしまったときの応急処置については、いろいろなサイトでかなり詳細に紹介されています。それゆえに、いろいろな情報であふれていますが、共通して紹介されている大切なことは、ほぼ2点です。

・できる限り、慌てず、焦らず、気持ちを落ち着けること。

・できる限り、速やかに専門の医療処置を受ける。

専門的な知識をもたないものにできる対処は少ないですが、そのうえで、咬んだヘビの特徴と咬まれた時刻をよく覚えておくとその後の治療がスムーズだといわれています。可能なら写メか写真が撮れれば、特徴と時刻の両方が詳細に記録できます。

今は、毎年必ずといっていいほどニュースで「スズメバチ」の特集がやっているくらいスズメバチの脅威も増しています。万が一のために、アウトドアでは「ポイズンリムーバー」という毒液や毒針を吸引作用で抽出する応急処置用の器具を携帯することはお勧めです。

ではお待たせいたしました、ここから待望の(?)過去にあった愛すべき出会いや思い出を筆者独自の視点でご紹介しているいつものシリーズです。第五回目の今回は、ある夏の日に、ランニング中に出会ったヘビさんです。まだまだ未熟なため自信をもっていえませんが、自分なりに調べたところ、特徴と消去法で「アオダイショウ(青大将)」ではないかと思われます。

良い日和で、とてものんびりしていた雰囲気でした。道の真ん中で威風堂々な様子もまた、やはり大将なのではないかと思われます。

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