常念山脈・東鎌尾根「燕岳~西岳~常念岳」(2013年9月)1話/全3話

今からちょうど4年前の2013年9月28日土曜日、「飛騨山脈(ひださんみゃく)通称:北アルプス」の「常念山脈(じょうねんさんみゃく)」から「東鎌尾根(ひがしかまおね)」にかけてを旅してきました。北アルプスは、富山県、新潟県、岐阜県、長野県に跨って連なる山脈です。

常念山脈は北アルプスの中のひとつで、主稜線の東側に平行して南北に延びる山域の総称です。「中房温泉(なかぶさおんせん)」から「燕岳(つばくろだけ)」を経てこの稜線へ至る登山道は「表銀座」と呼ばれています。1934年(昭和9年)12月4日 に山域が、中部山岳国立公園に指定されました。

当日の天気は、快晴で、本当に素晴らしい秋晴れの天気でした。とはいえ、登山開始時間は日の出までまだかなり時間のある真っ暗な深夜でした。ただ、星空はとてもきれいで、天気予報からも日中はかなり良い天気になることは予想できていました。

当日の登山口は長野県安曇野市にある「中房温泉(なかぶさおんせん)」から上りました。ありがたいことに周辺には、登山者用の無料駐車場が用意されているのですが、連休や週末はかなり混雑することが予想されていました。

なので、前日27日金曜日の夜には中房温泉に到着し、車中泊にて仮眠をとり、深夜のうちに出発する計画でした。なんとか無理なく駐車できましたが、それでも、すでにかなりの車が駐車していて、仮眠中も続々と車が来ているのがわかりました。

今後も、中房温泉から登山をされるみなさまにおかれましては、早めの行動で間違いはないと思われますので、参考までに。

素敵なご来光が見られました。下には雲海が。世界が真っ赤に輝くような色彩も、日の出からわずかな時間しか見られない貴重な瞬間なんです。

標準タイムで約3時間、標高2350mの地点にある「合戦小屋(かっせんごや)」です。ここは、スイカがとても有名だと、道中で出会った人に教えていただいたのですが、早朝すぎて、まだ誰もいませんでした。そして、帰り道もここを通ることになるのですが、帰りは完全に深夜帯に突入していて、もう誰もいませんでした。

そして、真っ赤に輝く時間は終わり、すがすがしい空の青と秋の景色に変わっていきます。

下記の写真は、方角でほぼ南東を望んでいるのですが、雲海の遥か奥、中央に小さく富士山があるのがお分かりいただけますでしょうか。その右側の山塊は南アルプス、左側の山塊は八ヶ岳です。普段は近くで見ている地元の大好きな山がこのように見えるのは、感動でした。

森林限界付近です。「中房温泉から4.2Km/燕山荘まで1.3Km・燕岳まで2.3Km」の地点です。ここまで来ると槍ヶ岳の姿がはっきりと確認できるようになります。(写真ほぼ中央)ものすごい存在感で、朝から感動の連続で、テンション上がりすぎでした。

写真をアップにしていただくと分かりやすいのですが、下記写真の、稜線ほぼ中央に「燕山荘(えんざんそう)」が確認できます。そしてその右側に見える白く高い山が今回の目的地のひとつ「北アルプスの女王」と呼ばれる「燕岳(つばくろだけ)」です。

今回使わせていただいた、中房温泉から合戦尾根ルートでは、燕岳山頂に向かうなら、その前に必ず燕山荘の前(横?)を通ることになります。燕山荘の様子は今回の最後にご紹介させていただきますので、まずは燕山荘前を通過した後の様子と燕岳山頂をご覧ください。

下記写真は、山頂直下、燕岳でとても有名な「めがね岩」です。

燕岳は「花崗岩(かこうがん)」でできているといわれています。花崗岩は結晶粒子が大きく、かつ鉱物結晶の熱膨張率が異なるため、温度差の大きい所では粒子間の結合が弱まり、表面がぼろぼろになりやすい(風化しやすい)です。ゆえに、山頂付近では、この「めがね岩」のように独特でユニークな名前のついた岩が多く見られます。

そんな花崗岩の特性から、風化は現在も進んでいて、それは時の流れのものなので仕方がないのですが、いつ崩れてもおかしくない危険があることと、この景観をできるだけ長く残していくため、現在は「めがね岩」は上れないよう立ち入り規制がされています。ずっと大切にしていきたい、素敵な景観ですね。ぜひともご協力をお願いいたします。

標準タイムで4時間35分、標高2763mの燕岳に到着です。山頂付近は、花崗岩のためひときわ白く、美しいです。そういった意味でも「女王」の名にふさわしい山だと思いました。

山頂から、360°見渡してみます。まずは南東方向、富士山が真正面に見える方向から徐々に左へ視線を移していきます。ここからのパノラマは、本当に素晴らしかったです。どうぞお時間の許す限り、ゆっくり、燕岳の山頂にいる気分を味わっていただけたらと思います。

先の写真でもご紹介したように、南東方向を望むと、写真のほぼ中央に富士山、その右側に南アルプス、左側に八ヶ岳を見ることができます。

東方向を望んでいます。写真中央からやや右、雲海に浮かんで見える山が「浅間山(あさまやま)」です。ここ、燕岳から浅間山は、ほぼ完全な東に位置しています。

北東方向に視線を移していきます。厳密には北東より少しだけ北寄りを向いています。写真中央からやや右側の奥にある山は「妙高山(みょうこうさん)」です。

下記は、ほぼ北を望んでいる写真です。北アルプスの美しい山々が連なっています。写真中央に尖って見える山は「針ノ木岳(はりのきだけ)」その右側に「蓮華岳(れんげだけ)」と並んで見えます。針ノ木岳からやや左側、切れ込んでその左に「剱岳(つるぎだけ)」「別山(べっさん)」「立山連峰(たてやまれんぽう)」と並ん見えています。

写真中央に燕山荘が見えます。そこから奥へと伸びる稜線が常念山脈です。稜線を辿っていって、ちょうど右の奥に見える高い場所が「大天井岳(おてんしょうだけ)」そこから稜線は左奥へと続き、ちょうど燕山荘のやや右上あたりに見える高い場所が「常念岳(じょうねんだけ)」です。ここから見て大天井岳からやや右奥へ進むと東鎌尾根になり、「赤岩岳(あかいわだけ)」「西岳(にしだけ)」と続いています。

燕山荘です。道中、いろいろな人とお話をしてきましたが、ここは山小屋の中でもかなり有名なところらしいです。(今回、中まで入ってなくてレビューできず本当に申し訳ありません。)とくに、「オーナーがおもしろい」とか、「ここに来たらケーキを食べるべき」とか、聞きましたが、事実はみなさまの目でお確かめいただけたらと思います。

ただ、ものすごくきれいな山小屋で、ここからの景色もまた最高でした。

燕山荘から見る燕岳です。もう、ここに住んでしまおうかな?とか思ってしまいます。笑

第2話は、燕山荘から出発し、大天井岳へ進み、そこから東鎌尾根の西岳・西岳ヒュッテまで行きます。西岳から見る槍ヶ岳は谷を挟んで真正面に位置していて、ものすごい迫力と美しさでした。また、日本第3位の標高を誇る「穂高岳(ほだかだけ)」も近くに見られます。ぜひ第2話もお楽しみください。

<第2話へつづく>

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