巨大コロン

自然が豊かで、牧草地も多く見られるここ八ヶ岳南麓では、緑の季節は、何度となく牧草地に「牧草ロール」と呼ばれる約2メートルほどの円筒型のものが転がっている風景が見られます。私は、この牧草ロールの形が、「江崎グリコ株式会社(通称:グリコ)」から発売されている「コロン」というお菓子に似ていると思います。

御存じのように、牧草は、牛をはじめとする家畜の食事となるものです。寒さの厳しい冬の間は作物は採れませんので、これを乗り切るだけの食糧を確保しておく必要があり、広大な土地の牧草で大量に作っています。そんな「牧草ロール」ですが、簡単にまとめると以下のようにして作られています。

①牧草がじゅうぶんに生長した頃、晴天が続く日を狙って、数日間にわたっての「牧草ロール」作りを始めます。

※なお、ほとんどの作業は、都度、トラクターに専用機械を取りつけておこなっています。

②草刈り機を取りつけたトラクターで走り回り、牧草を刈り倒していきます。

③刈り倒した牧草を一定にし、乾燥を促すため、かき混ぜながら広げます。

④広げられ乾燥された牧草をかき集めながら、一列にまとめていきます。

⑤一列の牧草を円筒型に整形していき、牧草ロールが出来上がります。

最後に牧草は「サイレージ」化されます。「サイレージ」とは、家畜飼料の一種で、飼料作物を「サイロ(家畜飼料を蔵置・収蔵する倉庫、容器等)」などで発酵させたものをいいます。発酵により、長期保存が可能になります。

「牧草ロール」では、ポリエチレン製のラップでラッピングすることにより可搬型のサイロとしています。これを「ロールベールラップサイロ」といい、前述したように、北海道やこの土地などでは良く見られる特徴的な風景となっています。

牧草ロールは、その特徴的な可愛らしい形から、私は「グリコのコロンの巨大化」と見えてしまいますが、インターネットで調べてみると、これを「抹茶のロールケーキ」と称するもの、さらには北海道には「牧草くるくる」や「牧草ロール」(←ネーミングはストレートだが草ではない)といった名前のお菓子まで存在しているほどに親しまれる、草原の愛されキャラ(?)なのです。

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