四国・九州を巡る旅 4日目 第六話「星生山」

過去、私はゴールデンウィークを利用して、「雪の無い山」を目指して南へ出発し、小さな軽自動車で車中泊をしながら、四国・九州を巡る旅をしてきました。当時、奇跡的に西日本はあたたかな好天に恵まれ、各地であたたかい出会いにも恵まれました。

そんな旅を、数回にわたってお届けいたします。

4日目 第六話

九州の山の中では生まれて初めの旅となった大分県「九重連山(くじゅうれんざん)」。

登山口の「長者原ビジターセンター」から出発し、「三俣山(みまたやま)」→「久住山(くじゅうさん)」→「稲星山(いなぼしやま)」→「中岳(なかだけ)」→「天狗ヶ城(てんぐがじょう)」と紹介してまいりました。

最終話となる今回第六話は、上記の山の中でも一番西側に位置している「星生山(ほっしょうざん)」です。ここまで、大自然の様々な表情をみせてくれた九重連山の中でも、星生山は岩の迫力が群を抜いていました。

実際、主峰である久住山を目的に周遊する上では、回り道でもあり、少々高度もあるため、人は少なめでした。しかし、個人的には他の九重連山の山々同様に、ここに来て本っ当に良かったと思える素敵な場所でした。

眼下を走る登山道には、人がとても小さく見えます。

下記写真の中央に見られる小屋は以前にも紹介させていただいた「久住分かれ」という分岐のすぐ近くにある「避難小屋(+トイレ)」です。「久住分かれ」は小屋の少し東側、写真でいうと小屋の少し上の方で登山道が分岐している地点になります。

久住分かれから東、写真の上の方に進み、その先の分岐を右に進めば右側にある「久住山」「稲星山」へ。もしくは分岐を左に進めば左側にある「天狗ヶ城」「中岳」へ。

小屋の広場を抜け右手前に進めば「扇ヶ鼻(おうぎがはな)」を経て「赤川登山口」へ。もしくは「沓掛山(くつかけやま)」を経て「牧ノ戸峠(まきのととうげ)」へ。

久住分かれから北、写真の左側に下れば「北千里ヶ浜」を経て「三俣山」方面へ。

写真左手前(西)に伸びる登山道を進むと、ここ、星生山へと続く道になります。

九重連山の北側に位置する三俣山。とてもきれいな山容をしています。

命の宝庫のような湿原を抜けた先に辿り着いたこの場所は、対照的な大地です。

南東方面、久住山を振り返って見た風景です。

「久住分かれ」から標準タイムで約1時間10分。星生山の山頂に到着しました。

星生山:1762m

下記写真の右奥に見える山が扇ヶ鼻です。今、立っている星生山から右に弧を描いて伸びる登山道はこれから進む道です。左から合流してくる道は久住分かれからの道になっており、この道を進み下山の途につきます。

前回まで紹介してきた久住山周辺の山々がとても美しく見えます。

星生山から三俣山へ続く稜線は、別の星のように白くきれいです。また、そこから絶えず吹き上げる白煙は、火山であることを改めて思い知らされます。

星生山の山頂を西から南へと降りていく、四国・剣山を思い出させる美しい道です。

北千里ヶ浜まで戻ってきました。一見、砂漠のような大地に、どこからともなく湧き出でる水が静かに流れ、春の日差しでキラキラ輝いていてとてもきれいでした。

北千里ヶ浜を抜け、三俣山の西側を回り込むように長者原ビジターセンターに向かいます。風景が一転して、美しい水と、緑のあふれる風景に変わりました。

全六話にわたって九州・大分県、九重連山の旅をお送りしてきました。ここまで国土地理院の標準タイムでみると約12時間45分ほどの旅となりました。

九重連山は、あふれる命を感じるような湿原の風景と、地球の息吹と歴史を感じるような火山の風景。変化に富んだ旅が味わえる素敵な場所でした。また、それぞれをピンポイントで見て行くならば、それほど敷居の高い山でないところもすばらしい山だと思いました。

5日目、四国・九州を巡る旅の舞台は熊本県へと移っていきます。

5日目へつづく。

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