過去、私はゴールデンウィークを利用して、「雪の無い山」を目指して南へ出発し、小さな軽自動車で車中泊をしながら、四国・九州を巡る旅をしてきました。当時、奇跡的に西日本はあたたかな好天に恵まれ、各地であたたかい出会いにも恵まれました。
そんな旅を、数回にわたってお届けいたします。
4日目 第五話
大分県にある「九重連山(くじゅうれんざん)」の旅は前回の第四話で、九重連山および九州本土としても最高峰である「中岳(なかだけ)」に到着しました。
今回第五話は、中岳のすぐ隣に、柴犬の耳のように並んでいる「天狗ヶ城(てんぐがじょう)」。そして、その麓にある「御池(みいけ)」をご紹介します。
中岳にも同様に言える事なのですが、天狗ヶ城は九重連山の中ほどに位置し、標高もそれなりにあるため、360°に渡って九重連山の山々が楽しめます。
九重連山はその名の様に多くのピークが重なり連なるような山です。その為、場所によって全く変わる山の姿や、雰囲気の違いがとてもおもしろいです。
中岳から天狗ヶ城までは、国土地理院の地図における標準タイムで約9分の道のりです。逆に、天狗ヶ城から中岳までは約11分となっています。
真南の眼下には「御池(みいけ)」と呼ばれる火山湖があります。ここまで乾いた岩と土、そして芽吹き前の枯れた植物に彩られた大地の中に、薄い緑の水面(みなも)が涼しげに揺れる様子はとても癒されるオアシスでした。
ちなみに、御池の南東、下記写真でいうと御池の左斜め上には「池ノ小屋」と呼ばれる、積み上げた岩で造られた、とても頑丈そうな避難小屋があります。火山や山にはこのような避難小屋が多くあるべきかと思います。
久住山への登山道は、山頂付近同様多くの人々が行き交い賑わっています。
次回は、九重連山編の最終話となる「星生山(ほっしょうざん)」です。いきなり紹介する(予定の)岩場は、なかなかの迫力だと思います。最終話もどうぞお楽しみに。
4日目第六話へつづく。