過去、私はゴールデンウィークを利用して、「雪の無い山」を目指して南へ出発し、小さな軽自動車で車中泊をしながら、四国・九州を巡る旅をしてきました。当時、奇跡的に西日本はあたたかな好天に恵まれ、各地であたたかい出会いにも恵まれました。
そんな旅を、数回にわたってお届けいたします。
4日目 第四話
一話=1ピーク(頂上)でお届けしている大分県の九重連山の旅。
4つ目のピークを迎える今回は、第三話で到着した「稲星山(いなぼしやま)」からほぼ北に位置し、標準タイムで約50分の場所にある「中岳(なかだけ)」の山頂からの風景をお届けします。中岳は標高1791m、九重連山の最高峰です。
また、中岳は九州の本土でみても最高峰であり、まさに九州本土の天井です。なお、離島を含む九州地方全体でみたときの最高峰は、鹿児島県の屋久島にある「宮之浦岳(みやのうらだけ)」であり、標高は1936mとなっています。
下記写真は、中岳の山頂から東北東を望んでいます。奥には、九重連山の「坊ガツル」湿原を境に東側に広がる大船山系「大船山」が見えています。
かつては、九重連山の主峰とされる「久住山(くじゅうさん)」(標高:1787m)や「大船山(たいせんざん)」(標高:1786m)が最高峰とされていた時期もありましたが、いずれも登山者が増加したことによる山頂の崩落等により標高が低くなり、その後の測量によって、それまで知名度が低かった中岳が最高峰となったといわれています。
下記写真は北東方面、眼下に「坊ガツル」の湿原が広がっています。また、その左側には第一話で登頂した「三俣山(みまたやま)」の山頂の一部、南峰が見えています。
下記写真は、上記写真から視線を少し左に移した北北西方面になります。右側に三俣山の西峰と本峰が見えています。一番左に見えるのは「星生山(ほっしょうざん)」です。
上記写真からさらに左に視線を移すと、ほぼ西を望む形になります。西には次の目的地「天狗ヶ城(てんぐがじょう)」、そして火山湖の「御池(みいけ)」、主峰「久住山」、最終話で登場する「星生山」の山々が見られ、続くトレイル(登山道)もまたきれいです。
4日目第五話へつづく。