2018年8月17日、北海道に、秋を通り越して冬が来た!
なんてニュースで報道されていました。この時、全国に衝撃が走った・・・!かは分からないのですが、寒い寒い冬がとても苦手な私個人が、かなりの衝撃を受けたのでした orz
北海道では16日の夜から17日の朝にかけて上空に9月下旬並みの強い寒気が流れ込みました。大雪山層雲峡黒岳ロープウェイを運営する株式会社りんゆう観光によりますと、大雪山(たいせつざん)系の標高1984m「黒岳(くろだけ)」で、17日午前0時52分に標高1900m付近にある避難小屋で初雪が観測されました。
これは2017年より42日早く、1974年の観測開始以来最も早い記録とのことです。また、8月に初雪が観測されたのは2003年の8月30日以来15年ぶりのことでもあります。
北海道では一瞬、秋を通り越してしまいましたが、例年、これから秋へと移り変わっていく季節の中で出会える花に「トリカブト(鳥兜)」という、ちょっとユニークな花があります。
「トリカブト(鳥兜)」はキンポウゲ科トリカブト属の多年草です。
有毒植物として小説に登場するほど有名で「ドクウツギ(毒空木)」「ドクゼリ(毒芹)」と並んで日本三大有毒植物のひとつに君臨しています。
有毒アルカロイドのアコニチン系アルカロイドを含有し、特に根に強い毒性を持つことでも知られていますが、花や葉、花粉など全草に及びます。
中毒症状はおよそ食後10分~20分以内に発症し、唇や舌のしびれに始まり、次第に手足のしびれ、嘔吐、腹痛、下痢、不整脈、血圧低下などをおこし、痙攣、呼吸不全(呼吸中枢麻痺)に至って死亡することもあります。
致死量は、トリカブトに含まれる毒成分・アコニチンで2~6mg。トリカブトは口にしない限りは問題なしといわれたりもしますが、一応、含有する毒成分には経皮吸収・経粘膜吸収されるものもあるので取扱いには注意が必要です。
古来、アイヌ(北海道を主な居住圏とする先住民)では狩猟用の毒矢の毒として使われてきました。適量を使用すれば漢方薬となり、強心剤として使われます。
漢方ではトリカブトの塊根(根がイモや球根のように肥大化したもの)を附子「=ぶし」と称して薬用にします。しかし実際には毒性が強いため、附子をそのまま生薬として用いることはほとんどなく、修治(しゅうじ・しゅうち)と呼ばれる弱毒処理が行われます。
また、毒として使う時は附子「=ぶす」と呼ばれ、一説には「美人」の反対語で使われる「ブス」の語源になったといわれています。これは、トリカブトを誤って食べた時、その毒性から神経に麻痺が出て、顔の表情がおかしくなってしまう事に由来しています。
ちなみに、東海道四谷怪談でお岩が飲まされた毒はトリカブトの附子だったとされます。
有毒植物ではありますが、その花の美しさから人気があり、また、園芸植物としても育てやすいことからガーデニングや切り花としても使われています。現在、日本に自生しているトリカブトの品種は約30種類が知られています。色も紫や白のほか、黄色も存在します。
和名の由来は、花が古来の衣装である鳥兜・烏帽子に似ているからとも、鶏の鶏冠(とさか)に似ているからともいわれています。
英名 “ monks hood ” は「僧侶のフード(かぶりもの)」という意味で、「兜の花」 “ helmet flower ” とも呼ばれています。
実は、兜や帽子のように見えている部分は萼で、その中に花弁が収まっています。
ヨーロッパでは、ギリシア神話に登場する魔術の女神ヘカテの司る花と伝えられており、またギリシア神話では、地獄の番犬・ケルベロスのよだれから生まれたとされています。
トリカブトの花言葉には、その強力な毒性から「復讐」という、ちょっと恐ろしい言葉があります。トリカブトを復讐に使うのはやめましょう (‘ω’乂)<NO
また、そんな人を遠ざけるような毒性や、僧侶のフードのような容姿から、一般社会との関係を絶つ生活を送る修道士を連想したところから「人嫌い」。
そして、光り輝くような花言葉「騎士道」「栄光」は、その美しく立派な花を騎士の兜に見立てているところからきています。ちなみに騎士道とは・・・
「優れた戦闘能力」
「勇気」
「正直さ・高潔さ」
「誠実」
「寛大さ」
「信念」
「礼儀正しさ・親切心」
「崇高な行い・統率力」
「弱者を守る」
などを代表的な美徳や騎士としての心構え・行動規範としたもので、その強力な毒という武器を携えた美しい姿はどちらかというと騎士にぴったりな気がします。