秋を彩る花のひとつに「ワレモコウ」があります。
細い茎の先に「えんじ色」または「あずき色」に近い紅紫色の小さな花が卵形に集まって咲く可憐な花で、ドライフラワーとしても親しまれています。
ワレモコウはバラ科ワレモコウ属の植物です。
漢字で「吾亦紅」「吾木香」「我毛紅」など過去様々な表記がされてきましたが、現代では「〜もまた」を意味する「亦」を「も」と読み、「吾亦紅」と書くのが一般的となっています。
源氏物語にも書かれている古い名称であるワレモコウ。名前の由来は様々な説がありますが、一説によると「われもこうありたい」という思いを込めて付けられた名前だともいわれています。
春先の若葉はおひたしにして食べられます。また、赤い花穂は染料として、根は「地癒(ちゆ)」という生薬として止血や鎮痛などの治療に利用されています。
この時期、八ヶ岳南麓に広がる秋の青い空と、風に揺れるワレモコウの可憐な花が、風景にとても美しい彩りを添えています。