吐竜の滝 -新緑の風景-

2018年も本格的に暑い日が多くなってきました。

最高気温が30℃を越える場所、最低気温が20℃を下回らない場所が、普通にニュースのお天気コーナーに出てくるようになりました。

この度、きっとそんな「暑さ極まる場所」にお住まいであろう読者様から、“ 涼しい風景 ” のリクエストをいただきました。ありがとうございます!

今、パソコンやケータイ・スマホなどの前で「賢者の森」をご覧くださっているすべての皆様にも、いつもご愛読・応援していただき、心から感謝申し上げます。

今回は、ここ八ヶ岳南麓の清里高原から、そんな暑い日々に「涼」を感じられる「水」の風景をお届けさせていただきたいと思います。

ここ清里高原には、清里駅から見ると東側に「大門川渓谷(だいもんがわけいこく)」西側に「川俣川渓谷(かわまたがわけいこく)」という、八ヶ岳を源流とした川が流れ、いくつかの滝が存在する美しい渓谷があります。

その中でも最も美しい滝と言われているのが、川俣川渓谷の東沢にある「吐竜の滝(どりゅうのたき)」です。吐竜の滝は、2002年にNHKで放送された大河ドラマ「利家とまつ ~加賀百万石物語~」のオープニングにも登場しました。

「吐竜の滝」とは (滝の規模と名の由来)

滝は、落差10m、幅15m。伏流水が崖の途中から流れ落ちる「潜流瀑(せんりゅうばく)」と呼ばれるタイプの滝で、小さい滝が何段にもなって落ちる姿は、派手さこそないものの風情ある風景を作り出しており、日本庭園のような趣があります。

緑におおわれた岩間から絹糸のように流れ落ちる神秘さから

“ 竜の吐く滝 ”「吐竜の滝」

と、名付けられました。

「吐竜の滝」はこんなところにあります

吐竜の滝は、山梨県北杜市大泉町西井出の標高約1250mに位置し、一帯は「川俣東沢渓谷自然観察園」として整備されています。

八ヶ岳の地獄谷から流れ出る川俣川は「東沢渓谷」と「西沢渓谷」に分かれており、とくに美しく人気の高い東沢渓谷は「龍泉峡」という別名があります。その優れた景観から一帯は「八ヶ岳川俣景観保存地区」として指定され、条例によって守られた地区となっています。

龍泉峡に沿って歩く自然観察園は、片道2.8km、所要時間にして上り2.5時間・下り2時間の行程(公式)で大自然を散策できる遊歩道となっていますが、現在、崩落などがあり通行できない場所(下記地図の赤×印)が多々あります。

つまり、現在すべてを踏破することはできなくなっているのですが、断片的にでも踏破するならば、かなりの迂回とアップダウンを強いられ、公式の案内よりも多くの距離と時間を費やす非常にタフな遊歩道となっています。

「吐竜の滝」へのアクセス

車で

中央自動車道「須玉IC」から約30分。もしくは、中央自動車道「長坂IC」から約20分。

八ヶ岳高原大橋(通称:黄色い橋)から清里方面に進むと、坂を上りきる手前(登坂車線が終わる手前)で「吐竜の滝」への道路標識(表示は「吐龍の滝」となっている)がありますので、それに従って進んでください。

公共交通機関で

JR小海線「清里駅」下車、清里ピクニックバス(期間限定)で「吐竜の滝入口」下車。

しかし、本当の吐竜の滝入口は、隣接した道路が非常に狭いため、清里ピクニックバスは入って行くことはできません。よって、実際はちょっと離れた場所がバス停となっています。バス停から滝まで徒歩約25分。

「吐竜の滝」の駐車場

吐竜の滝の駐車場は道路脇にあり、きっちりつめれば普通車約30台ほど停められるスペースがあります。しかし、一台一台のスペースが白線などで仕切られてはいないので、一般に約20台と案内されています。

周辺の道路はとても幅員が狭く、退避スペース以外の場所で普通車同士のすれ違いは不可です。連休やシーズン中の土日などはやや混み合いますのでご注意ください。ちなみに、下記写真は平日の様子です。

「吐竜の滝」のトイレ

トイレは駐車場脇に仮設のものが2つあります。(2018年5月23日現在)

「吐竜の滝」行った気分でフォトギャラリー

↓ここから吐竜の滝へ向けて出発となります。

一般に、滝までは約15分の道のりとされていますが、良く整備された遊歩道となっており険しい場所は無いため、人によってはすぐに辿り着くことができます。

どうぞ今回も行った気分でお楽しみくださいませ。

↓ツキノワグマ情報です「クマ出没注意!」

過去、周辺でツキノワグマの目撃情報がありました。基本的にこの地域に限らず山ではクマ遭遇のリスクがあります。

ツキノワグマは基本的には臆病な動物と言われています。ばったり出会わないために、以下の点にご注意ください。

鈴などの音を鳴らして歩きましょう。

※特に夜間はライト・鈴を携帯し、周囲に注意してください。

犬は必ずリードをつけて散歩しましょう。

※リードをつけていない犬は、隠れて人をやり過ごそうとしているクマを見つけ、飼い主に戻る際にクマが追いかけてくる場合があり危険です。

ゴミや食べ物は屋内に保管しましょう。

※一度おいしい思いをすると、同じ場所に出没する可能性があります。

④クマに会ったら、さわがず、走らず、あとずさり

◆この地域のクマに関する情報・お問い合わせは下記までご連絡ください。

・北杜市役所 大泉総合支所

Tel 0551-42-1116

・北杜市役所 林政課

Tel 0551-42-1353

↓しばらく歩くと上に高架橋が望めます。これは、JR小海線「清里駅ー大泉駅」間の線路となっています。JR小海線は単線でダイヤも1時間に一本くらいで運行しているので、たまたま列車が見られたら、ちょっとだけラッキーだったりします笑

↓ここまで来ると川俣川の清流を手で触れられるほどになります。

↓奥に見える橋を右側から左側へと渡って進みます。

↓JR小海線の列車通過。小さなラッキーが舞い降りました☆笑

↓この橋を渡ると吐竜の滝はすぐそこです。鉄で出来ている橋なので「吊り橋」や「朽ちた橋」など不安定だったり信頼性が怪しい高所が苦手な方でも比較的安心して渡れます。

↓橋の中ほどからは、吐竜の滝の一部を見ることができます。

↓実は、JR小海線の列車の車窓からも一瞬ではありますが、吐竜の滝を見ることができます。しかし、緑の季節は生い茂る植物の葉に遮られてほぼ見られず、見られるのは落葉後から新緑前までの間となります。

↓吐竜の滝に到着しました。ここは、時期やタイミングによってはとても多くの人で賑わっています。この時は、人が居なくなるまでひたすら待ったという忍耐の一枚です笑

吐竜の滝は、大小様々な伏流水が一帯の崖から染み出し、岩間を縫うように流れたり、何段にもなって流れ落ちるので、場所によって様々な表情を見せてくれます。

そんな、様々な表情の吐竜の滝をお楽しみください。

↓人知れず、祀られている場所があります。不思議と、この場所に立つと全体が優しい緑で包まれているような雰囲気でした。

↓吐竜の滝の近くには、とても面白い木があります。根本付近から90°ほどに折れ曲がりながらも倒れていない木です。ここを訪れる多くの人が触ったり抱きついたり跨ったりしているのか、木肌は家具のように、けっこうツヤツヤしています。

↓この木を長いこと見ていたら、通りかかったとても上品な雰囲気の老夫婦のおばあさんが笑顔で話しかけてくださいました。

「この木、倒れなくてほんとすごいわよね。でも、上の方をよく見ると別の木に支えられて立っているのね。そんなところは人間と一緒ね☆」

とても、素敵な言葉でした。。。

八ヶ岳南麓・清里高原を代表する滝「吐竜の滝」はいかがだったでしょうか?滝の派手さや迫力では、名瀑と呼ばれる各地の滝には劣るかもしれませんが、長い日々をかけて地下から染み出す清らかな水と、優しい緑を添える植物が作り出す風情ある風景は、「日本庭園の趣」と称される日本人ならではの「ほっ」とする癒しの風景と言えます。

これからさらに続く暑い日々に、この記事で「涼」と「マイナスイオン」を感じていただけたなら幸いです。

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