優しく、青い。 -マツムシソウ- (花期:8月~10月)

夏の後半から秋にかけて高原を彩る「マツムシソウ(松虫草)」。

「マツムシソウ(松虫草)」は、マツムシソウ科マツムシソウ属の植物で越年草と呼ばれる、葉を出して冬を越し花を付けてから枯れる冬型一年草ですが、高地では枯れずに2年目の葉を出す多年草となります。

また、マツムシソウは「日本固有種」の植物ですが、2018年現在では32の都道府県で減少傾向にあり、レッドリスト(絶滅の危機に瀕している野生動植物のリスト)に指定されています。

固有種とは、その国、あるいはその地域にしか生息・生育・繁殖しない生物学上の種のことをいい、地域個体群の絶滅が、即座に種そのものの絶滅につながるので、保護対象として重要な意味をもっています。

一説によると、マツムシ(スズムシ)が鳴くころに咲くことが和名の由来であるとされており、古くから俳句にも詠まれ、秋の季語ともなっています。その柔らかいブルー系の花色と、丸く可愛らしい花が風に優しく揺れる様子は、秋の風情が感じられます。

今回は、八ヶ岳南麓とその周辺で見られるマツムシソウで、夏の終わりから秋の立つ頃にかけての涼しげな風や、風が運ぶ秋の香りなどを感じて、納涼していただけたらと思います。

八ヶ岳「西岳」にて。8月中旬

八ヶ岳「西岳」にて。8月中旬

八ヶ岳「天の河原」にて。8月中旬

奥秩父山地「飯盛山」にて。9月中旬

奥秩父山地「飯盛山」にて。9月中旬

奥秩父山地「飯盛山」にて。9月中旬

奥秩父山地「飯盛山」にて。9月中旬

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