四国・九州を巡る旅 7日目 第四話「高岳」

過去、私はゴールデンウィークを利用して、「雪の無い山」を目指して南へ出発し、小さな軽自動車で車中泊をしながら、四国・九州を巡る旅をしてきました。当時、奇跡的に西日本はあたたかな好天に恵まれ、各地であたたかい出会いにも恵まれました。

そんな旅を、数回にわたってお届けいたします。

7日目 第四話

「阿蘇山(あそさん)」の中央火口丘を旅する7日目の旅は、阿蘇五岳のひとつ、標高1506mの「中岳(なかだけ)」へと到着しました。

今回まずは中岳からほぼ真南、阿蘇山の火口を右手に見ながら沿うように、800mほど進んだ場所にある標高1496mの名も無きピークへと向かいます。

阿蘇山火口の徐々に移りゆく風景を見ながら、その後、名も無きピークで中岳方面へと折り返し、最後に「高岳(たかだけ)」を目指します。

外輪山も含めると全7話でお届けしてきた阿蘇山編の最終話です。

中岳から南に向かう道は切り立った火口側は踏み外せば真っ逆さまではありますが、それだけに阿蘇山随一の絶景が続くような道になっており、広くアップダウンも少ないことから実際踏み外すような危険は少ない、安心して歩ける道です。

阿蘇山火口の風景は本当に絶景です。

ここから見られる火口は右から「第一火口」「第二火口」と並んでおり、ちょうど写真中央にある煙の出ていない火口に「第三火口 ~ 第七火口」が点在しています。

また、「第三火口 ~ 第七火口」の左側に大きく広がる砂浜は「砂千里ヶ浜」と呼ばれる場所で、当時、この付近を周遊している登山者の方々も見受けられました。

阿蘇五岳のひとつ「根子岳(ねこだけ)」です。根子岳は阿蘇五岳の中でも一番東に位置している山です。「高岳東峰(たかだけとうほう)」という場所から見る根子岳の風景も絶景ですが、折り重なる大地の先に見える風景も、とても美しいです。

中岳の南、標高1496mの名も無きピーク付近からの風景です。

そして、再び中岳方面へと折り返します。ここから見ると、登山道すぐ左手に続く切り立った火口側の大地が、ミルフィーユ(※1)のように本当に見事です。

※1)ミルフィーユはフランス発祥の歴史ある菓子の一種。現代の基本とされているものは、3枚のパイ生地にクリームをはさみ、表面に粉砂糖がまぶされたもの、あるいは糖衣がけされているもの。名前の由来は、フランス語で mille は「千」、feuille は「葉」を意味しており、一般的にmille-feuilleは「千枚の葉」という意味だと理解されている。

再び中岳付近まで戻ってきたところで、次は高岳へと向かいます。高岳は、中岳の東約500mほどの距離にある山で、今回、登山口として利用させていただいた「仙酔峡(せんすいきょう)」からはほぼ真南に位置しています。

阿蘇山最高峰・高岳に到着しました。

高岳:1592m

四国・九州を巡る旅は5日目で辿り着いた熊本県にて阿蘇山の旅をお送りしました。とくに7日目、中央火口丘の旅では、世界有数と称されるカルデラ、マグマや、大地から吹き上げる人間が到底及ばないような力がつくった造形の景色は本当に見事でした。

また、天気にも恵まれた中で、無尽蔵に立ち上る火山の白煙は、とても迫力があり、楽しみながらも恐れをもって接するべきだと改めて実感させられました。ブログではなかなか伝えられていませんが、ここで出会った人のあたたかさにも本当に感謝でした。

四国・九州を巡る旅は、この後、福岡県へと舞台は移ります。

8日目第一話へつづく。

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