岩間にキラリ -イワカガミ- (花期:4月~7月)

4月から7月頃にかけて、山ではイワカガミという山野草に出会えます。

4月から7月と花期が長い範囲にわたるのは、低山帯から高山帯まで、そして北海道から九州まで、幅広く分布しているからです。

今回ご紹介するイワカガミは八ヶ岳で、過去6月中旬頃に撮影したものになります。

「イワカガミ(岩鏡)」は、イワウメ科イワカガミ属の常緑性の多年草です。常緑性の植物は、幹や枝に一年を通じて葉がついていて、年中、緑の葉を見ることができる植物のことですが、実際に常緑を維持するには環境がある程度安定している必要があり、極度の低温や乾燥などの厳しい環境下では常緑を維持することはできません。

そんなイワカガミの葉は厚く日光に反射してキラっと光る光沢をもっており、また、岩場で多く見かけることから “ 岩場の鏡 ” を意味する名前になりました。

イワカガミは生育地によってその大きさが変わり、イワカガミより大きいものを「オオイワカガミ」、小さいものを「コイワカガミ」と区別していますが、実際はその中間型が存在し、変異も連続的かつ遺伝構造もまったく違いが認められないことから、類型分類では区別できないという見解があります。

イワカガミは草丈10cm~20cm。束生した葉の中心から伸びる花茎の先に3~10個ほどのフリンジ状の花を咲かせます。色は基本ピンク色で、濃い色から淡い色まで存在し、白い花を咲かせるものもあります。

横または、うつむくように開く花は個性的で可愛らしく、どこかキラキラと舞うピンク色のティンカーベル(小説「ピーターパン」などに登場する妖精)のような、ファンタジーの世界を感じさせてくれます。

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