シモツケとシモツケソウ

草花でよく混同されやすいものとして、「シモツケ」と「シモツケソウ」があります。

当ブログ「賢者の森」の投稿記事

シモツケソウ咲きました (花期:6月~8月)」(2017/07/18)

岩間に映えるシモツケの花 (花期:5月~7月)」(2017/07/25)

にも登場した両者は別の植物なのですが、良く似た花を咲かせ、開花時期も生育環境も良く似ていて、さらには隣り合って生えていることもあると言われています。

両者は同じバラ科の植物ですが、シモツケはシモツケ属、シモツケソウはシモツケソウ属に分類されています。シモツケ属の仲間には「コデマリ」「ユキヤナギ」があります。

シモツケは高さ1m前後の落葉低木です。つまり樹木ということになります。それに対して、シモツケソウは草本(※1)つまり草です。しかし、シモツケソウは草本とはいえ草丈は高く、むしろ低木のシモツケを凌駕するほどになります。

※1)草本(そうほん)とは、植物の地上に出ている部分が、軟らかで、木質になっていないもの。

このような特徴から、草である「下野草(シモツケソウ)」に対して、木であるシモツケは別名「木下野(キシモツケ)」とも呼ばれています。

見慣れると、一見良く似た兄弟・姉妹のように、別人(別植物)であることが分かるのですが、慣れない方はとくに、葉の形状を見ると見分けやすいと思います。

葉で見るシモツケとシモツケソウの違い

まず、シモツケですが、葉先の尖った卵型にギザギザの縁。シモツケソウは、5~7の掌状に深裂しておりギザギザの縁です。代表的なものはこのような特徴をもっておりますので、迷ったら「シモツケ(木)の葉=卵」「シモツケソウ(草)の葉=掌(手の平)」と思い出していただければ良いかと思います。

↓シモツケ(木下野)

シモツケの葉。葉先の尖った卵型にギザギザの縁です。花は咲き始めの頃です。

↓シモツケソウ(下野草)

シモツケソウの葉。5~7の掌状に深裂しておりギザギザの縁です。花は咲き終わり後です。

花で見るシモツケとシモツケソウの違い

花は両者とも、5mmほどの小さな花が密集して花序をつくっていますが、シモツケはドームのような丸さがあり背面(茎側)が平ら、シモツケソウは複雑でふわふわとした印象です。あえて表現するなら「シモツケ(木)の花=湖面花火」「シモツケソウ(草)の花=線香花火」のようです。

※2)花序(かじょ)とは、花が茎または枝に付く、その並びかた。

↓シモツケ(木下野)

シモツケの花。ドームのような丸さがあり背面(茎側)が平らです。

↓シモツケソウ(下野草)

シモツケソウの花。複雑でふわふわとした印象です。

似ていると言われますが、こうして比べてみるとだいぶ違って見えることが分かっていただけたかと思います。とは言え、どちらも本当に美しい花ですね。

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コメント

  1. 野兎(やっと) より:

    有難うございます。

    混同しがちでしたが、理解できました。

    • haru より:

      野兎様
      いつもありがとうございます。
      こちらこそ、とても嬉しいコメントありがとうございました。私事で申し訳ありませんが、こうした自然の中にあるちょっとした気付きの奥深さをとても面白く感じていて、なんとなくですが野兎様もそんな楽しみ方をされている人なのかな、と、勝手に妄想して嬉しくなってしまいました(笑)未熟ながらこれからも、そんな自然の中にある気付きの奥深さを「楽しい!」と思っていただけるようなブログをつくっていきたいと思っておりますので、どうぞこれからも「賢者の森」をよろしくお願いいたします。
      更に余談で本当に申し訳ありませんが、「野ウサギ=野兎」と書いて「やっと」と読ませることにものすごいオシャレさ感じて、けっこう衝撃を受けました☆遅ればせながら私は「haru=ハル」と申しましてそのまんまなので(笑)、そういうネーミングセンスみたいなものも、言葉を扱う者として、とても良い名前だなと思ってしまいました。長話、失礼いたしました。
      実はこちら八ヶ岳の麓では霜が降りたりしており、朝晩とても寒さが厳しくなっております。寒暖差のある季節の変わり目ということもあり、野兎様も体調など崩されませんよう、どうぞご自愛くださいませ。重ね重ね、この度はあたたかいコメント、どうもありがとうございました。