岩間に映えるシモツケの花 (花期:5月~7月)

今回の主役は八ヶ岳南麓の森で出会った「シモツケ」の花です。

このシモツケ、先の記事「シモツケソウ咲きました(花期6月~8月)」(2017/07/18)に登場したシモツケソウとは名前も容姿もなかなか似ていながら別の植物です。その違いについては、別の記事「シモツケとシモツケソウ」(2017/08/01)でご紹介させていただいておりますので、もしよろしければそちらも併せてご覧くださいませ。

シモツケはバラ科の落葉低木で、シモツケソウ(下野草)に対して、別名:キシモツケ(木下野)とも呼ばれています。桃色または白色の花を咲かせ、古くから庭木としても親しまれてきました。八ヶ岳南麓に自生するシモツケの花は7月頃から徐々に見頃を迎えます。

日向を好むとされていますが、日陰にも普通に居たりするので、森の中で見つけるのにはそれほど苦労しないと思います。今回出会ったシモツケは、渓谷の崖の岩間から生えており、灰色の岩壁の無機質な中に桃色の花が良く映えて見えました。

ギボウシ(擬宝珠)の花も咲いていました。園芸では葉を観賞するリーフプランツとしても用いられるギボウシはキジカクシ科ギボウシ属(クサスギカズラ科、ユリ科、リュウゼツラン科で分類される場合もあります。)の多年草です。多年草(=多年生植物)とは、個体として複数年にわたって生育し続ける植物のことを言います。

岩間から伸びる、ほんのり紫がかった白色の花がとても美しいです。

いかがでしたでしょうか?庭や鉢植えなど園芸で親しまれている植物でも、山野で見かけるものはまったく違った雰囲気をもっています。それは、見どころがギュっと凝縮された動物園と、果てしなく広く厳しい環境で暮らす野生の動物を比べるような感覚に似ていると思います。

この八ヶ岳南麓の自然から感じられるおもしろさはまさに、その厳しい環境に生きている点にあると思います。

ぜひ、ちょっとだけ視野を広げて背景にある風景や目に見えない厳しい環境も一緒に感じていただけたら、山や自然はさらにおもしろく見えると思います。

必ずしも庭や鉢植えなどの植物より見映えが派手だったり豪華なわけではありませんが、自然の偶然が重なり合い出来上がったアートはまさに「世界にひとつだけの花」。

それゆえに貴重だったり美しかったりするのがわかると思います。

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