八ヶ岳連峰のひとつであり、最南端に位置する「編笠山(あみがさやま)」。
その登山口として、また、「八ヶ岳横断歩道(やつがたけおうだんほどう)」と呼ばれる全長約16kmのトレッキングコースの起点としても知られるのが、山梨県北杜市小淵沢の「観音平(かんのんだいら)」という場所です。八ヶ岳横断歩道は北杜市清里の「美し森(うつくしもり)」まで続いています。
ここは標高1560m。最寄駅であるJR小淵沢駅から歩けば(走れば)距離にして約10km、標高差約673mという行程も、舗装された道路が通っていることから、車であれば簡単に来ることができる展望公園となっております。
ただし、観音平への道路は冬季は閉鎖となります。2017年は、11月24日(金)15時をもって閉鎖となります。今回は、車で来られるのも今年あとわずかとなった観音平の秋の風景、そして周辺のスポットをご覧いただきたいと思います。
富士見平
観音平周辺はいくつかの見どころがあり、ひとつひとつはコンパクトなのでセットで見て回るのがおすすめです。まず、車で向かう際に、観音平の少し手前ほどで現れるのが「富士見平(ふじみだいら)」という展望台です。
まず、ここの見どころはやはり、その地名の通り「富士山」の眺望がとても良い点にあるところでしょう。とくに秋には、眼下のカラマツ林もきれいに色付きます。
そこからやや右側には、南アルプスの山々が望めます。
富士山から左側に見えるのは秩父山地の山々です。茅ヶ岳は「日本百名山」作者の深田久弥氏が最後に上った山(終焉の地)としても知られます。
尚、富士見平からも編笠山への登山道が伸びており、約2.3kmで山頂に至ります。
とても日当たりが良い場所にあり、ベンチも設置されています。縦列駐車で約2~3台という少ない駐車スペースですので、タイミングが合えば貸切状態が味わえます。
延命水
富士見平から車で1分もかからない場所に「延命水(えんめいすい)」と呼ばれる湧水があります。ここにも小さな駐車スペースがあり、約5台ほどです。
「延命水」は今から500年前、武田信玄公が観音平に陣を敷いた頃、貴重な水として利用され、兵の士気を倍増したといわれています。
しかし現代では、野生動物の水飲み場ともなっており、衛生面に問題があることから飲用不可となっています。
ただ、延命水の森は、吸い込まれそうな幻想的な雰囲気があります。
観音平
延命水からさらに進むこと、車で1分もかからない場所に「観音平(かんのんだいら)」があります。ここは県道617号線の終点であり、車で来られる終点でもあります。
舗装は駐車場手前で終わりますが約50台の駐車スペース(無料)、仮設ながらトイレが3つ(2017年現在)、所々にしっかりとした作りのベンチとテーブルが用意されています。
この道を進むと、やがて「編笠山」の山頂に至ります。道中の詳細は「編笠山・西岳」の投稿記事をごらんくださいませ。
この道を進むと前述した「八ヶ岳横断歩道」となります。その途中には「三味線滝」など、見どころが点在しています。
観音平は駐車場到着時点では展望はあまりひらけていませんが、少し下ったところに眺望の良い場所があります。「展望台」の看板を目印に進んでください。
観音平の展望台からは、南アルプスが一望できます。富士山までは見られませんが、富士見平よりも少し南アルプスが広く見渡せます。
ヒカリゴケ
ここから、観音平の見どころのひとつである「ヒカリゴケ」がある場所に行けます。歩いてすぐの場所にはありますが、トレイルですので足元にはお気を付けください。
「ヒカリゴケ」はこの鉄柵(金網)で保護された場所にあります。
期待を膨らませ、少しドキドキしながら、中をのぞくと・・・
・・・!?
「どれがヒカリゴケ!?」そう思われた方もいらっしゃると思います。当日はヒカリゴケも調子が悪かったようで本当に申し訳ありません。笑
ヒカリゴケが光っている画像を調べてみましたが、手前の土に生えている緑は「草」です。ヒカリゴケは、岩の部分に少し緑がかっている部分になります。
いつか、「光るヒカリゴケ」の様子をみなさまにお届けできたら!と、宿題にして、今回の観音平のご紹介はここまでとなります。
まとめ
観音平はいかがだったでしょうか。八ヶ岳・編笠山への登山口として知られますが、そこだけでも簡単に楽しめる、誰にでも手の届く自然がここにはあります。
小淵沢には「八ヶ岳リゾートアウトレット」や「リゾナーレ八ヶ岳」といった有名な観光施設もありますが、自然が大好きな方であれば気軽に八ヶ岳を感じられる「観音平」も、とても楽しいのでいかがでしょうか。