8月から9月頃に実る、とある樹木の果実があります。
その果実は鮮やかな明るい赤色をしており、花と同様に観賞して楽しめるうえ、食べることもできます。
それが、ヤマボウシ(山法師)という樹木の果実です。
ヤマボウシとは
「ヤマボウシ(山法師)」はミズキ科ミズキ属の、樹高約5m~15mになる落葉高木で、6月~7月頃に白またはピンクの手裏剣のような風車のような花を咲かせます。
とはいえ、この花に見えている部分は総苞片(そうほうへん)という、花の基部にあり、つぼみを包んでいた「葉」なので、「観賞時期が比較的長い」という特徴があります。
そして、8月~9月頃になると鮮やかな明るい赤色の果実が実ります。前述したように、良く目立つ可愛らしい果実は花と同様に観賞して楽しめるうえ、食べることもできます。
ヤマボウシは多くの樹木の中にあって、一年を通して比較的長い期間、人々を楽しませてくれる貴重な種であるといえます。
ヤマボウシの花については、別の機会にご紹介させていただきたいと思いますので、どうぞお楽しみにお待ちくださいませ。
ヤマボウシの実はどんな味?
熟したヤマボウシの果実は、やさしいオレンジ色で、とても甘味があります。食感は全体的に粘質で柔らかく、ナシを食べた時に感じられるような、砂糖のようなシャリシャリとした食感があります。
多くのフルーツにみられる、さわやかさやトロピカルさが強く香ることは無く(とはいえ、少し香ります)、主張が少ない果実ともいえますが、反面、渋味や酸味も無く嫌味のない味ともいえます。
一般的に多く見られる感想として、なんとなくマンゴーやビワの風味に近いと表現されていたりもして、甘味も強いため、なかなか的を射ていると私も思いました。
しかし前述したように、ヤマボウシの果実自体が若干主張が少ないということもあり、「たしかにそんな気もする」というような立ち位置でしょうか。。。
ヤマボウシの果実のタネは、大きいものでは3個~4個、ごく小さいものでも1個のタネが入っていると言われており、上記の物では5個ありました。
ヤマボウシの果実は、そのまま食べても美味しいですが、ジャムや果実酒としても楽しむこともできます。
ヤマボウシの果実は、その風貌から、鳥山明(とりやまあきら)氏による漫画「ドラゴンボール」に登場する「ドドリアさん」という悪キャラに似ているといわれたりもしていて、それを初めて聞いた時は笑ってしまったりもしました orz
しかし食べ物由来の(食べ物名をもじった)ネーミングが多いドラゴンボールの中にあって、ドドリアさんの由来となっている「ドリアン」とはまったくの別物です。
マンゴーやビワに例えられるように、なんとなく「南国系の風味」というのがイメージしやすいかもしれません。
赤い実と青い空
ヤマボウシは、梅雨どきに楽しめる花木として価値の高い存在といわれています。また、夏の終わり頃に実る赤い実に、秋の色付く紅葉と、移り変わる季節ごとにさまざまな表情で楽しませてくれる、とても素敵な樹木です。
ここ八ヶ岳南麓のきれいな青い空の下、今年も実ってくれたヤマボウシの可愛らしい赤い宝石に、感謝です。来年もどうぞよろしくお願いいたします☆