日本の頂点からの風景 -富士山のお鉢を巡る-

標高3776m。日本一の山「富士山」は霊峰といわれ信仰の山として神聖視されてきました。また、古くから文献や美術作品にも登場し、その優美な風貌から現在でも日本の象徴のような存在として日本人だけでなく、外国人にも広く知られ親しまれています。

2013年6月22日、富士山は関連する文化財とともに「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に登録されました。

この日本の最高峰「富士山」で、毎年7月におこなわれている「富士登山競争(ふじとざんきょうそう)」というレースがあります。

富士登山競争はとても伝統のある大会で、今年2018年7月28日(金)の開催で71回目を迎えました。スタート地点の富士吉田市役所が標高770mといわれているので、ゴール地点まで、その標高差は3000m近くまで及ぶ、とてつもないレースです。

実は私は、地元の八ヶ岳には一般的な感覚だったらおそらく飽きるほどに登らせていただいていますが・・・(笑)、富士山の山頂には過去に一回しか行ったことがなく、その一回も練習で登らせていただいたというものでした。

ただその一回は、酸素は薄くても、とても濃い時間をすごさせていただきましたし、日本の最高峰の風景が別格のものであることも知りました。

練習目的だったので、写真が少なくて誠に申し訳ないですが、今回はそんな日本の頂点からの風景を、どうぞお楽しみください。

登山道は、山梨県富士吉田市を起点とする「吉田口ルート」を使わせていただきました。

こちらは6合目の「富士山安全指導センター」付近です。

富士山安全指導センターでは7月~9月の開設期間中、同センター協議会から委託された警備員らが24時間体制で、安全登山指導、救急対応、気象情報の提供、仮設トイレの管理、連絡掲示板管理および登山者数調査などの業務を行っています。

実は、写真では同センターの仮設トイレだけが右端にギリギリ見えています。正面手前に写っている小さな建屋は「富士山保全協力金受付所」です。富士山では、環境保全や登山者の安全対策等の目的で入山料基本1000円の協力をお願いしています。

途中から、海なし県・山梨県民あこがれの海が見え始めます。

下記写真の右手前は「相模湾」、左奥は「東京湾」です。

眼下に広がるのは陸上自衛隊の「北富士演習場」です。

そして写真ほぼ中央、少し雲に隠れてしまっている湖が「山中湖」です。

上記写真から少し視線を左に移すと富士吉田の街並みが見えてきます。

その奥にある「御坂山地」の山並みの麓に「河口湖」があります。

遥か奥に見えている山並みは「奥秩父山地」です。

この写真では確認できませんが、奥秩父山地と御坂山地の間には甲府盆地が広がっています。御坂山地の麓に河口湖、そして、河口湖に架かる「河口湖大橋」がよく見えています。

写真中央、遥か彼方に見えている山は「八ヶ岳」です。

こちらは吉田口ルートの頂上「浅間大社奥宮」です。

富士山の頂上の世界は、天空の世界といっても過言ではないほどに本当に高く遮るものが無いので、ほんの少し回り込むだけで、下界に居る時の感覚では有り得ないほどに関東や中部のほとんどを一瞬で旅できるような絶景が、眼下に広がっています。

ここ(下記写真)は、もう「駿河湾」になります。

右奥、半島のような場所に清水港が見えています。その南側(奥)の浜には「三保の松原」、西側(右)の小高い山に「日本平」と、かつて徳川家康のお墓があった(現在も祭神として祭られている)「久能山東照宮」があります。

そして、吉田口ルートの頂上から「お鉢」と呼ばれる富士山の火口をぐるりと囲む火口壁を半周ほど周ってきたところに「剣ヶ峰(けんがみね)」があります。富士山の剣ヶ峰は日本の最高地点であり、日本でここより高い場所は無いということになります。

こちらはかつて気象庁東京管区気象台が設置していた気象官署「富士山測候所(ふじさんそっこうじょ)」です。2004年に閉鎖されてからは「富士山特別地域気象観測所」となり自動気象観測装置による気象観測をおこなっています。

写真中央、お鉢の上に見えている白い建物は静岡県「御殿場口ルート」「富士宮口ルート」の頂上となっています。ちなみに、眼下の道からここ剣ヶ峰へと続く道は「馬の背」と呼ばれ、誰もが認める激坂となっています。

富士山の火口「大内院」です。火口の底の標高は3537m。ここからは200m以上も下ということになり、吹く風がとても強くなることで知られる富士山では、風にあおられて落ちたらとても危険な場所といわれています。

よく見ると、富士山の火口をぐるりと囲む火口壁の上に道が続いており、ここを一周することは「お鉢巡り」と呼ばれています。

お鉢を一周すると、距離にして約2.3km、国土地理院の地図での標準タイムで約1時間20分の道のりになります。

実はこの日、トレイルランニングを始めてまだ年数が浅い私でしたが、何人かの先輩トレイルランナー様方と一緒にここにきて、お鉢を5周して帰らせていただいたのでした。なので、たった一回の富士山ではありましたが、最高峰の絶景の中、本当に充実した一日を過ごさせていただいて、とても良い思い出となっています。

下記写真は、その時のものです。一緒(前)に走っているのは、プロトレイルランナーの「加藤淳一(かとうじゅんいち)」さんです。加藤さんは「ハセツネ30k」優勝、「富士登山競争」3位をはじめ、山岳スキー競技などでも数々の輝かしい成績を収めている、名実ともに、ものすごいアスリートです。後ろの青い背後霊は・・・私です。

たまに一緒に練習させていただいてきた加藤さんや多くの先輩ランナーの方々には、要所要所で貴重なアドバイスをいただいたり、フォームを見て走らせていただくことで本当に勉強させていただき、これからも少しでも強くなっていけるようにそんな学びを続けていけたらいいなと思っております。

今はまだ、ちょっと体の状態が悪く、レースとは無縁のひとり気ままに山に行くような隠者のような生活を続けておりますが(笑)、山や自然とのそんな付き合い方も、自然から教えてもらうことや学ぶこと、気づきや山の住人との出会いもたくさんあって、これはこれでとても幸せだったりします。

何より、思うように走れなくなってからいろいろ模索して始めたこのブログを通じ、今こうしてスクリーンの向こう側で読んでくださっている読者様やいろいろな人との出会いや知識や価値観が得られたのは、とても貴重で幸せだったと思えます。そんな感謝を忘れずにこれからも進んで行きたいと思います。

そして、自分の中に思い描く価値観の頂点の風景を常に追い求めて精進していけたらと思っております。

今回、加藤淳一さんに許可をいただき加藤さん経営のショップ「トレイルランテストセンター」様所有の、上記2枚の写真を掲載させていただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

トレイルランテストセンターとは

トレイルランテストセンターは、ギアをフィールドで試して購入できるショップです。

■住所

〒403-0005 山梨県富士吉田市上吉田2310

■電話

080-6544-6150

■営業時間

10:00~17:30

(3:00~10:00、17:30~21:00は事前のお電話にて対応致します)

■定休日

火曜日・不定休

(レース等でお休みをする場合がございますので、詳細はHP等ご確認お願い致します。)

■ホームページ

http://trailrun-test-center.com/

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