戦いの果てに 【風呂の日シリーズ(4)】

2017年11月26日「1126=いいふろ=良い風呂」の日から、毎月26日後最初の投稿をお風呂ネタでお送りしている「風呂の日シリーズ」・・・だったのですが、2月・3月は「四国・九州を巡る旅シリーズ」と重なり、4月は「動画版(YouTube)賢者の森」開設のお知らせで、お休みをいただきました。

居るか分かりませんが(笑)、このシリーズのファンの皆様、大変お待たせいたしました。ここでは変わらず、温泉好き・お風呂好きな筆者が、温泉で出会った愛すべき出会いや思い出、ときに、各地の温泉・お風呂をご紹介していけたらと思っております(第4回目)

・・・が、ブログの更新を2018年4月より週2へと変更したこともあり、ここからは「風呂の日シリーズ」を毎月26日の不定期でお送りして参りたいと思いますので、たまの投稿をお楽しみいただき、どうぞ末永くお付き合いくださいませ。

尚、このシリーズでの話では写真などはございません。文章でお楽しみください。。

(温)泉国無双Ⅰ:戦う男の尻

ある日、いつもの温泉に行き、いつもの指定席へと入ると・・・

(温泉好き・銭湯好きの方には、分かっていただけると思いますが、常連さんには、だいたい「いつもの下駄箱・いつものロッカー・いつもの浴槽の場所・いつものシャワーの場所」が決まっていて、風呂での行動がルーティン化している人が多いです笑)

・・・その、浴槽内のいつもの指定席の真向かいに、ものすごいマッチョなお兄さんが座っていました。

なぜか分かりませんが、お兄さんはじっとこっちを見ていて、腕組みをしながら大胸筋をピクピクぴくぴくと動かしていて筋肉で語りかけているようでした。

何を言っているか皆目見当がつかなかった私は、失礼にあたらないよう、そのマッチョなお兄さん(の大胸筋)に軽く会釈をし、露天へと出ました。

その後は、いつもと変わらぬ日常のように平和な時間が流れ、いつものように体を拭いて脱衣所へと戻りました。当日はたしか休日か祝日だったと記憶しており、脱衣所も多くの人で賑わっていました。

私は、いつものロッカーの前ですばやく着替えを済ませましたが、ちょっと靴下に違和感があったので、そばのベンチに座りそのまま頭を下げるようにしながら足先をチェックして、違和感の元を解消しました。

そして、頭を上げた時、目の前に迫るようにあったのはマッチョな尻でした。その芸術的な大臀筋はスポーツを生業にしている私から見ても本当に見事ではありましたが・・・尻が近い。

その見事なマッチョ尻には、赤い「ふんどし」が穿かれ、ニュースで取り上げられているような伝統的な祭りの風景のように、まさに世界に誇る「日本の尻」でした。その尻の持ち主は、そう、あのマッチョなお兄さんでした。

そして目の前の尻は、ピクピクぴくぴくと動き何かを語っているようでした。

何を言っているか皆目見当がつかなかった私は、失礼にあたらないよう、そのマッチョなお兄さん(の尻)に軽く会釈をし、温泉を出たのでした。

(温)泉国無双Ⅱ:戦いの後に

ある日、いつもの温泉に行き、いつもの指定席へと入ると・・・いつもと違った違和感に気が付きました。

たしかに、今日は休日。人が多いのはいつものことなのですが、室内から見える露天には、首が斜めになっている人がやたらと多い。露天の岩に突っ伏して浮いている人もいれば、そもそも風呂の外で転がっている人までいます。

良く見ると、私の今いる室内の浴槽内も首が斜めになって寝ている人、浴槽の縁で浮いている人、魂が抜けかかったかのように視線の焦点がどこにあるか分からない人、そんな人ばかりで、ここは奈落の風呂か!?と思うような光景でした。

浴室内を見れば、足を引きずっているお兄さんもいて、それを見た時に、この光景が何によるものなのかが分かりました。

実は、当日は「星の郷 八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン」が開催された日でした。そこで死力を尽くして戦ってきた戦士たちの多くが温泉に集まっていたようで、そんな戦いの後の光景も、戦士たちの頑張りの勲章だったのでした。

(温)泉国無双Ⅲ:戦いの果てに

その日、温泉の駐車場には、小型のバスが停まっていました。

人ごみが苦手な私は、「バスが停まっている=多くの人で混雑している」と思い、少し心に銭湯準備ならぬ戦闘準備の覚悟をしながら「男湯」の暖簾(のれん)をくぐったのでした。

しかし、思いのほか人が少ない。いや、むしろバスに乗っていたと思われる人は見られませんでした。私は、バスの乗客のみなさまは温泉に併設された食事処でご飯を食べているのだろうと理解し、静かな温泉に少しほっとした気持ちになったのでした。

とくに事件も無く、いつものように温泉タイムを満喫し、脱衣所へと戻ると、そこにはパンチパーマのおじさんが洗面台の鏡の前に立っていました。洗面台には、何か、ものすごい数のいろいろな瓶が並び、その中に入っている液体を頭にふりかけたり、いろいろと儀式をするように身だしなみを細かく整えていました。

その後、昔の刑事ドラマ(実は私は見たことが無いのですが→)「西部警察」の登場人物「大門」がかけているようなサングラスを装着すると、完全に気合の入った人でした。

ただ、その姿は私的に、いわゆるバスの運転手のイメージとも合っており、駐車場に停まっていたバスの運転手さんなのかな?と思ったのでした。完璧なパンチパーマと、精密で妥協のない身だしなみ、大門サングラス。まさに、プロの仕事だと思ったのでした。

そうしているうちに、ひとりのおじさんが風呂から上がってきました。長身で少し痩せ形だったのですが、その姿は ちばてつや氏のボクシング漫画「あしたのジョー」に登場する「力石徹(りきいしとおる)」が減量しすぎて失敗したかのような雰囲気でした。

と、いうのも、軽く湯あたりしたのか、サウナで限界を超えたのか・・・脱衣所に入ってきた瞬間からフラフラで、減量しすぎのボクサーのようでした。

その力石風のおじさんは、脱衣所のベンチに座ると、「あしたのジョー」の主人公「矢吹丈(やぶきじょう)」のラストのシーンのようになり・・・

真っっ白に燃え尽きていました orz

そんな戦士の戦いの果てのような光景を横目で見ていると、先ほどのパンチパーマのおじさんが鏡越しの大門サングラス越しに、力石風おじさんに「○○さ~ん!後半どっちから行く~!?」と聞き始めました。

その時、この限界を超えた戦士もまた、運転手さんであることが分かったのでした。

いや・・・力石は限界超えてますので後攻がいいと思います(焦)と、思う私。

戦士たちの戦いは続く。。。

まとめ

温泉はときに、現代社会を生きる戦士たちの束の間の休息の泉となります。

私はテレビ大阪制作・テレビ東京系列で放送されている「和風総本家」という番組が「日本っていいな」と思わせてくれて好きになり、機会があればみさせていただいています。そんな和風総本家の受け売りのような感じになりますが、やっぱり・・・

「日本のお風呂っていいな」

癒しの泉から職場という戦場へ旅立つ戦士たちに栄光と健康を。

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