千本のツツジと美し森(with 2018年の開花状況)

突然ですが、お魚は新鮮で「脂がのっている」時期のものが一番美味しいです。お魚に限らず、旬の食べ物は本当に美味しくて、幸すぎる瞬間でもあります。

当ブログ「賢者の森」では全5回、2018年5月の投稿記事では、今回で3回目のご紹介となる八ヶ岳南麓・清里高原にある標高1542mの山「美し森」。

実は、美し森が一番華やかに彩られ一番「美しい森」となる季節がこの時期にあたり、ぜひ、読者の皆様にもそんな一番美味しい風景を味わっていただけたらと思っております。併せて、美し森の見どころをまとめましたので、行った気分で楽しんでいただけたら幸せです。

美し森の昔ばなし(名前の由来)

「美し森」はじめ、この地にある「羽衣の池(はごろものいけ)」「天の河原(あまのかわら)」「天女山(てんにょさん)」といった美しい名前の場所には、昔ばなしがあり、それが地名の由来となっています。

“ 昔々、諸国の神々が瑞穂(みずほ)の国の中程にある「斎の森(いつきのもり)」を盤座の山と定めて、八百万(やおよろず)の神々が天下り、年に一度集まり、その歳の国を治める掟を話し合うならわしがあった。 ”

この斉場「斎の森(いつきのもり)」がなまり「斉し森(いつくしもり)」となり、やがて「美し森(うつくしもり)」と呼ばれるようになったと伝えられています。

美し森の見どころ

美し森の見どころ① 多くの山々が望める大パノラマ

その見どころは、八ヶ岳最高峰「赤岳(あかだけ)」から伸びる真教寺尾根の先端に位置しているため「権現岳(ごんげんだけ)」にかけて南麓特有の美しく切り立った風景を近くに見られます。

富士山を正面に望むと、右手に「鳳凰三山(ほうおうさんざん)」「北岳(きただけ)」「甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)」など南アルプスの山々。

左手に「飯盛山(めしもりやま)」「瑞牆山(みずがきやま)」奥秩父の盟主と呼ばれる「金峰山(きんぷさん)」など奥秩父の山々。

そして、日本百名山作者・深田久弥氏の最期に登った「茅ヶ岳(かやがたけ)」など、紹介しきれないくらいたくさんの山々が望める大パノラマがここにはあります。

美し森からの風景については、投稿記事「白く、美し森。」でご紹介しておりますので、よろしければそちらもご覧くださいませ。

美し森の見どころ② 1000本のレンゲツツジの群生地

美し森は約千本と言われる「レンゲツツジ」の群生地としても知られています。6月中旬から下旬にかけて、オレンジ色の美しい花が咲き誇る名所となっています。

ちなみに、レンゲツツジ(蓮華躑躅)はツツジ科ツツジ属、高さ1~2mの落葉低木で、つぼみの容姿が蓮華に見えることから名付けられました。

実は、有毒な植物で、全木に痙攣(けいれん)毒をもっており、摂取すると呼吸停止を引き起こす恐れもあると言われています。毒は花の蜜にも含まれており、誤ってお子様が吸ってしまうと非常に危険ですので注意が必要です。

美し森の見どころ③ 日本一?おいしいソフトクリーム

美し森の見どころ(食べどころ?)のひとつに、山頂展望台の売店で売られているソフトクリームがあります。山頂には下記のような置き看板が掲げられており、その内容には、かなり引き込まれます。(笑)

“ 特製 ジャージー牛乳でねった

清泉寮とも同じ

ソフトクリーム

¥250  各団体¥200

NHK出版「旅の過ごし方」より

日本一おいしい ”

日本一おいしいかは、とうぞ現地でお確かめください。(笑)

美し森の見どころ④ 国の天然記念物「オオヤマツツジ」

美し森の山域に咲くヤマツツジの巨木「オオヤマツツジ」。平成9年(1997年)に病気によりその半分が枯れてしまい樹勢もかなり衰えてしまっていますが、かつての、大きく美しい姿はヤマツツジとしては全国有数の規模のもので、昭和10年(1935年)には「国の天然記念物」に指定されているとても貴重なツツジです。

5月中旬前後であれば、周辺にヤマツツジの花が点々と咲く美しい森の中のトレイルを、美し森の無料駐車場から徒歩30分ほどで辿り着けます。

美し森のオオヤマツツジの詳細については、投稿記事「天然記念物 美し森のオオヤマツツジ」でご紹介しておりますので、よろしければそちらもご覧くださいませ。

美し森のみどころ⑤ 「ミズバショウ」「クリンソウ」の群生する秘境

美し森の山域には「ミズバショウ」「クリンソウ」の群生する湿地があります。

八ヶ岳のとてもきれいな水が流れ、木漏れ日降り注ぐカラマツの林に包まれた「秘境」とも言えるような美しい場所には、4月下旬頃から5月上旬頃にかけてはミズバショウ、5月下旬頃から6月上旬頃にかけてはクリンソウの花が咲きます。

そんな美し森の「秘境」へは、美し森の山頂から八ヶ岳へと続く登山道を進むとすぐに瑞々しい森の中へと入り、約5分ほどで辿り着けます。

美し森の「ミズバショウ」「クリンソウ」の群生地については、投稿記事「美し森の秘境へ」でご紹介しておりますので、よろしければそちらもご覧くださいませ。

美し森へのアクセス

車で

【名古屋方面】

中央自動車道「長坂IC」から出てすぐの「長坂IC入口」交差点を左折。その後、「五町田」交差点を左折、県道28号・北杜八ヶ岳公園線へ。八ヶ岳高原大橋(通称:黄色い橋)を渡り清里に入ってからは美し森方面への道路標識に従って県道11号線・八ヶ岳高原ラインへ。「美ヶ森」交差点から県道615号・美し森清里線へ。

距離14km、所要時間約22分。

【東京方面】

中央自動車道「須玉IC」から国道141号線を清里方面へ。「清里」交差点から左方向の県道11号線・八ヶ岳高原ラインへ。「美ヶ森」交差点から県道615号・美し森清里線へ。

距離22.2km、所要時間32分。

※中央自動車道「須玉IC」から「長坂IC」までは距離8.7km、所要時間6分なので、「長坂IC」でおりていただいても距離・時間的にはほぼ同じくらいとなっています。

公共交通機関で

JR小海線「清里駅」下車。

期間運行(※1)の公共交通機関「清里ピクニックバス」の「北部周遊ルート」に乗車し、「美し森」で下車。料金は500円(※2)です。

※1)2018年の運行は4月13日から11月4日までの予定となっています。

※2)一回乗車 大人:500円 子ども:250円

一日周遊券 大人:1000円 子ども:500円

二日周遊券 大人:1500円 子ども:750円

※3)大人料金は12歳以上の方(中学生以上)、子ども料金は小学生となります。幼児(1歳以上で小学校に入学していないお子様)、乳児(1歳未満のお子様)は基本無料ですが、同伴される「幼児」が3名以上の場合3人目から「子ども」の料金が必要です。

※4)チケットはバスの中ではお求めになれませんのでご注意ください。チケットは清里駅前観光案内所の清里バスセンター及びバス停周辺施設などでお買い求めいただけ、「美し森案内所」「美し森売店」でも取り扱っています。詳細は「清里観光振興会」のホームページでご確認ください。時刻表も掲載してございます。

美し森の千本躑躅*行った気分で*フォトギャラリー(with 2018年の開花状況)

2018年の開花状況ですが、5月30日現在開花はしているものの、多くの木々には少しずつ蕾が見られ満開の一歩手前、もしくは場所によっては満開といったところで、観覧するには充分な見ごろを迎えています。

ここからは、美し森に千本咲くと言われるレンゲツツジ(蓮華躑躅)を中心とした風景をご紹介させていただきます。また写真の順に、美し森の登山口(無料駐車場)から頂上へと進み、違うルートで下山するまでが並んでいますので、どうぞ今回も行った気分でお楽しみいただけると幸せです。

では、ツツジの花と新緑で彩られた旬の美し森へ、いってらっしゃいませ☆

↓美し森の山頂までは、200mと案内されています。しかし、その道のりは、山に慣れていない方、運動にあまり馴染のない方には、少しきつく感じるかもしれません。

↓登山道に入ってすぐの二本の木。個人的に、なにか神聖な場所へ入る「審判の門」のようにたたずんでいる雰囲気がとても好きだったりします。

↓こちらは、白地の花に先端がピンク色の可愛らしい小さな鈴のような花が咲く「サラサドウダン(更紗灯台)」というツツジ科ドウダンツツジ属の落葉低木です。

↓鮮やかなオレンジ色(朱色)の花はレンゲツツジです。

↓美し森から続いてゆくこの道は「真教寺尾根(しんきょうじおね)」という登山道にあたり、やがて、八ヶ岳最高峰・赤岳へと至ります。

↓八ヶ岳中信国定公園「美し森」標高1542m。この場所は厳密には、清里の隣町の大泉町(旧・大泉村)に入ります。

↓この山では希少な黄色い花のレンゲツツジ「キレンゲツツジ」です。

↓この季節この地で良く見られ、白い可憐な花を咲かせる木は「ズミ」という、バラ科リンゴ属の、リンゴの接ぎ木として使われたりするリンゴに近縁な野生種です。

↓美し森の西側斜面の木段を下りきると林道・川俣線にぶつかり、その道を経て、程無くして「美し森の無料駐車場(登山口)」へと戻ることができます。

また、林道・川俣線を逆方向に進めば「川俣川(かわまたがわ)」を経て「八ヶ岳牧場(やつがたけぼくじょう)」へと至ります。

↓林道・川俣線を横切るように直進し、そのまま下るトレイルに入れば「天然記念物 美し森のオオヤマツツジ」へと行くことができます。

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