天然記念物 美し森のオオヤマツツジ

ここ八ヶ岳南麓に広がる清里高原の各所では、ツツジが咲き始め見ごろとなってきました。瑞々しい新緑の森の中に、ヤマツツジの色鮮やかな赤紫色の花や、レンゲツツジのオレンジの花の美しさはとても目を楽しませてくれます。

例年、清里高原のツツジの見ごろは6月中旬前後と言われています。しかし、2018年は温かい日が続いておりサクラの開花と同じように若干早めとなっているようです。

今回は、そんな清里高原にある標高1542m の山「美し森(うつくしもり)」にある、国の天然記念物「オオヤマツツジ(大山躑躅)」をご紹介します。

「美し森のオオヤマツツジ」とは

そもそもこの美し森を中心とした地域は「ヤマツツジ(山躑躅)」「レンゲツツジ(蓮華躑躅)」「ドウダンツツジ(灯台躑躅)」などが多く、ツツジの名所として知られています。

2018年5月16日現在、美し森周辺でもヤマツツジは咲き始め見ごろを迎えていますが、レンゲツツジは開花までもう少しといったところで、見ごろは5月下旬~6月上旬くらいになるかと思われます。

この美し森の山域にある「オオヤマツツジ」はヤマツツジとしては全国有数の規模のもので、昭和10年(1935年)には「国の天然記念物」に指定されました。

平成9年(1997年)には病気によりその半分が枯れるという被害に遭いました。残された枝からは往時の規模が偲ばれますが、樹勢は徐々に回復してきているとのことです。

オオヤマツツジの開花の時期は6月中旬~下旬です。

「美し森のオオヤマツツジ」へのアクセス

オオヤマツツジの今(2018年4月)については、「動画版(YouTube)賢者の森」

【代わりに山いってきました/賢者の森】#4_清泉寮のトレイルと美し森[山梨]

の7分15秒~22秒くらいの短い間ですが登場しておりますので、もしよろしければそちらでもお楽しみくださると幸せです。

また、オオヤマツツジへは、

①「美し森」の無料駐車場

②「清泉寮」

③「東沢大橋(赤い橋)」の無料駐車場

辺りから向かうことができます。

最短は①になり、距離にして1kmちょっと、徒歩で片道約15分~20分ほどの場所となります。大ざっぱではありますが、上記動画でも①の道のりを進んでいます(その後③へと進んでいます)ので、トレイルの雰囲気も動画でご確認いただけます。

トレイルには、オオヤマツツジへの案内板もございますので迷いにくいとは思いますが、地図など持ち合わせが無く不安な方には、美し森の観光案内所で周辺のマップがいただけるはずなので、出発前にそちらにお寄りいただくのも安心かと思います。

①②③の各所へは、清里駅始発で期間運行している公共交通機関「清里ピクニックバス」でも向かうことができます。

①へは、「清里駅」から「北部周遊ルート」のバスに乗り9分、「美し森」で下車です。

②へは、「清里駅」から「北部周遊ルート」か「大泉周遊ルート」のバスに乗り5分、「清泉寮」で下車です。

③へは、「清里駅」から「大泉周遊ルート」のバスに乗り7分、「東沢大橋」で下車です。

時刻表は、清里観光振興会のホームページか、清里駅のバス停でもご確認いただけます。また、2018年の運行期間は4月13日から11月4日までとなっています。

「美し森のオオヤマツツジ」今昔フォトギャラリー

「動画版(YouTube)賢者の森」

【代わりに山いってきました/賢者の森】#4_清泉寮のトレイルと美し森[山梨]

内には、説明が一切無く、動画の説明にも詳細が記されていないため、動画を見ていただいたみなさまには「なんだ?この、大事そうにフェンスに囲まれた枯れた木は?」と不思議に思われた方もいらっしゃるかもしれません。作品としてのこだわりから、なかなか不親切な動画になってしまい本っ当に申し訳ありません。笑

掘り下げは、当「ブログ版 賢者の森」で力の限り掘れるだけ掘って参りたいと思っておりますので、みなさまには、まずは予備知識無しでも雰囲気だけを思いっきり楽しんでいただけたら嬉しく思います。そして、「知ってまた楽しい」「何度も行きたくなる」動画になれたら心から幸せです。

今のオオヤマツツジは、残念ながらその名前に期待して行った人の期待に応えられる樹勢を持っていません。前述したように、その半分は枯れてしまい、更新されたもう片方の木が必死に生きている状況です。

今回、オオヤマツツジをブログに掲載させていただくにあたり、「美し森の観光案内所」の職員の方、「美し森の展望台売店」のご主人に、半分が枯れる以前のお話を伺ったり、当時の貴重な写真を見せていただくことができました。

また、その貴重な写真は当ブログへの掲載許可もいただくことができましたので、昔の、大きく美しいオオヤマツツジも併せてご覧いただけたらと思います。

まずは、「今」の「美し森のオオヤマツツジ」をご覧ください。

(右)指定年月日 昭和10年6月7日  (左)建設年月日 昭和42年10月1日

(右)文化財保護委員会  (左)山梨県教育委員会

ここからは、「昔」の「美し森のオオヤマツツジ」をお楽しみください。

↓こちらは、昔、発行されたポストカードをコピーしたものだそうです。

甲斐名木大ツツジ(西井出山岳舎発行)

↓こちらは、「清里高原つつじ祭り70周年記念誌」の1ページになります。

昭和10年6月に国の天然記念物に指定された「美し森 大ヤマツツジ」 提供:北杜市長坂町郷土資料館(植松波雄さん撮影)

↓こちらは、美し森展望台のご主人に見せていただいた写真です。このように咲き誇る「美し森のオオヤマツツジ」の写真は、ネット上を含めなかなかお目にかかることができず、また、撮影後の同年に半分が枯れてしまったとのことで最後の貴重な一枚となりました。

国の天然記念物「美し森のオオヤマツツジ」はいかがだったでしょうか?

この度、貴重な写真(資料)を見せていただき掲載許可をくださった、「美し森 観光案内所」の職員様、「美し森 展望台売店」のご主人様には、いろいろと当時のお話なども聞かせていただき本当にありがとうございました。この場を借りて心から御礼申し上げます。

その上で、「美し森のオオヤマツツジ」に訪れてくださる方には親しみをもって大切に思っていただけたら本当に嬉しいですし、地元の人間としてこれからもずっと清里を見守ってくれるように敬意とともに大切にしていきたいです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする