老師 【風呂の日シリーズ(2)】

2017年11月26日「1126=いいふろ=良い風呂」の日から、毎月26日後最初の投稿をお風呂ネタでお送りしている「風呂の日シリーズ」。ここでは、温泉好き・お風呂好きな筆者が、温泉で出会った愛すべき出会いや思い出、ときに、各地の温泉・お風呂をご紹介していけたらと思っております。(第2回目)

尚、このシリーズでの話では写真などはございません。文章でお楽しみください。。

温泉偉人伝1:老師

憩いと癒しの温泉では、日々、さまざまな人が立ち寄ります。

ある日、私が立ち寄った温泉で出会ったおじいさんはとても特徴的で、その方は、真っ白な長い長いあごヒゲを湛えていて、まるで仙人のような雰囲気でした。

その容姿は、七福神でいったら「福禄寿(ふくろくじゅ)」。ゲームが好きな方は「Final Fantasy(ファイナルファンタジー)」シリーズに登場する「ラムウ」のカミの毛が無いバージョンといえばイメージしやすいでしょうか・・・。

私は、独特な雰囲気をもっている(オーラを纏っている)おじいさんを勝手に自分の中で「老師」と呼んでいまして、たまに、そんなおじいさん(=老師)だらけの日になった時は「今日は老師率が高いな」なんて使い方をしています。

老師とは、温泉を上がった際に脱衣所で一緒になりました。老師はちょうど、そのヒゲのように真っ白な、ブリーフ型のパンツをはいているところでした。

普通ある程度年齢を重ねた方は、ほとんどの場合、下着・靴下の類を着用する場合、一時的に片足立ちになるため、ちょっとしたバランス感覚と筋力が必要になり、少々大変なため、脱衣所に置かれている椅子やベンチに座って着用することが多いです。

しかし、老師はなんと、座らず立ったままパンツをはいていました。

その足腰とチャレンジャー精神に、感動と尊敬のまなざしで老師を見ていると・・・片足、そして逆足をパンツに足を通そうとしたところで足の指がパンツに引っかかってしまい、片足立ちの状態でバランスを崩してしまいました。

崩れたバランスを立て直そうとパンツに引っかかった足を床についていまった老師。その瞬間、手でしっかり握り締めていたパンツのゴム部分と引き伸ばされ「ビリっっっ!!!」というパンツの断末魔の叫びが、脱衣所に鳴り響いたのでした。

そんな老師の様子を見ていなかった・気づいていなかったかのように白々しく振る舞う私。

転倒しなくて本当によかった反面、無残に破れたパンツにさぞかし老師も凹んでるだろうなと思ってチラ見してみたところ、しかし老師は何事も無かったかのように、パンツとしての機能を失い、もはやただの布きれと化したものはいて、「ほっほっほ・・・」と声が聞こえてきそうな穏やかな、まさに七福神のような表情で脱衣所を出て行ったのでした。

温泉偉人伝2:老師2

憩いと癒しの温泉では、日々、さまざまな人が立ち寄ります。

ある日、私が立ち寄った温泉で出会ったおじいさんはとても特徴的で、その方は、まるで現在話題になっている、先日公開されたばかりの映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」に登場しているキャラクター「ルーク・スカイウォーカー」を少し横に引き伸ばしたような雰囲気でした。

私は、前述したように、独特な雰囲気をもっている(オーラを纏っている)おじいさんを勝手に自分の中で「老師」と呼んでいまして、当然、そのおじいさんも老師になりました。

私が温泉に浸かっていたところ、老師は、湯船から見えるところにあるサウナ室から出てきました。老師は、サウナ室の隣にある水風呂に向かっていきましたが、水風呂には入らず、片手桶で水を、修行のように被りまくったあと、水風呂の縁で腕を組み目を瞑り、胡坐(あぐら)をかいて座ったのでした。

その威風堂々とした様子があまりにカッコよく「さすが老師だ!」と、感動と尊敬のまなざしで老師を見ていると、肩と首の筋肉をほぐすように、その状態で首をぐるぐると回し出したのでした。

しかし、じーっと見ていると、その首を回す動作、徐々にダイナミックに、大きくなっているのが分かりました。そのうち上体全体も大きく前後左右に傾きながら首を回しているような感じになり、おかしな動きになってきました。

「あれ?老師??」と思って見ていたら、そのまま、ぐるぐると首を回しながら、ふらふら~っとバランスを崩し、走馬灯のようにゆっくりと、達磨さんが転んだかのように、老師は水風呂に落ちて行ったのでした。

私はまさか落ちると思ってなかったので目を丸くして見ていると、誰よりも、びっくりしていたのは老師自身のようで、凄まじい速さで水風呂から這い上がってきました。その姿はさながら、「押すなよ!押すなよ!!」といいながら熱湯風呂に突き落とされたお笑い芸人が風呂から上がってくる絵そのものでした。

まとめ

日々さまざまな人が立ち寄る憩いと癒しの温泉。

私的なお話ですが、いま、過去に放送されていたNHKの大河ドラマ「風林火山」を今更ながら見させていただいて個人的にプチブームがきています。

あの日の老師1のように、徐か(しずか)なること「林の如し」、パンツを破いても動じない不動のメンタル「山の如し」。

あの日の老師2のように、水風呂に攻め入ること「火の如し」、水風呂から上がる疾き(はやき)こと「風の如し」。

でも、とりあえずは大きな事故にならなくて本当に本当によかったです。温泉にいっぱい入って、これからもずっと元気でお過ごしください。

私はテレビ大阪制作・テレビ東京系列で放送されている「和風総本家」という番組が「日本っていいな」と思わせてくれて好きになり、機会があればみさせていただいています。そんな和風総本家の受け売りのような感じになりますが、やっぱり・・・

「日本のお風呂っていいな」

安全に、事故を防いで楽しいお風呂ライフを

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